2012年04月09日
皐月賞が行われる今週。有力馬不在というのが年明け前の評価でしたが、ここにきてトライアルで強い勝ち方をした馬が続出。上位何頭かで決まるだろうという雰囲気になってきましたが・・・得てしてこんな時に競馬というのは荒れるもの。
そこで競馬天気では月曜日から金曜日までの５日間、2012年皐月賞を馬、騎手、血統などを中心に分析していきます！この５日間の連載をお楽しみください！
さて、第１弾となる今回はスプリングＳを制し、一躍主役の座に躍り出たグランデッツァについて分析していきます。
【１】グランデッツァと中山芝2000mとの相性は？
イマイチ掴みどころのないグランデッツァですが、ひとつはっきりしているのは「時計のかかる馬場に強い」ということ。洋芝の札幌２歳Ｓ、重馬場のスプリングＳ・・・ぐうの音も出ないほどの楽勝でした。
ただ、ここで発生する問題は距離。その２レースは芝1800ｍ、皐月賞の舞台は芝2000ｍ。当たり前ですが、200ｍの距離延長になります。
唯一グランデッツァが連対を外したのは芝2000ｍで行われたラジオNIKKEI杯２歳Ｓ。これまで上がり３ハロン３位以内を外したことがなかった馬が上がり３ハロン３位以内を確保できず。距離延長で直線伸びあぐねる、というシーンは想定しておきたいところです。
【２】グランデッツァのローテーションは？
過去10年、前走スプリングＳ勝ち馬の成績は【４・０・１・５】複勝率50.0％。昨年はオルフェーヴルがこのステップで三冠馬への足掛かりとしており、ローテーション面では追い風が吹いています。
で、スプリングＳ→皐月賞と連勝を飾った馬の共通点はというと、次のようなものが浮かび上がってきました。
・父サンデーサイレンス系（４頭中３頭が該当）
・生涯を通じて馬券圏外なし（４頭中３頭が該当）
・３〜４コーナーにかけて位置取りを挙げて勝利（４頭すべてが該当）
父サンデーサイレンス系は今さら説明不要・生涯を通じて馬券圏外なしはクラシック戦線では必須項目。ここでは「３〜４コーナーにかけて位置取りを挙げて勝利」という点が最重要項目ですね。器用さが求められる皐月賞ではマクれるか否かが重要で、タニノギムレットのような直線の長いコースがベストという馬はかなり危険です。
そこでグランデッツァなんですけど、未勝利勝ちが４角先頭、スプリングＳは６−６−４−３と位置取りを挙げての勝利。少なくともタニノギムレットよりは安心して見れるのかなぁと思います。
【３】グランデッツァの血統は？
グランデッツァの父はアグネスタキオン。今でも最強馬論争で名前が挙がるほどの強さと可能性を秘めた馬でした。2008年皐月賞ではキャプテントゥーレが親子制覇を成し遂げており、皐月賞が行われる中山芝2000mへの適性は問題ないでしょう。
・・・と言いたいところなんですが、実は産駒全体で見た際の中山芝2000m重賞への適性はそうでもないんですよね。
◇芝2000m重賞成績【２・１・１・19】複勝率17.4％
◇芝1800m重賞成績【３・２・０・15】複勝率25.0％
数字だけ見ても適性の違いは明らかですが、気になるのが中山芝1800ｍ重賞→次走芝2000ｍという使われ方をした馬の成績。
◇200ｍ延長【０・０・０・４】
◇200ｍ短縮【１・１・２・２】
比較として200ｍ短縮も調べてみましたが、その差は歴然。データ上は距離延長がプラスとは言えなくなってしまいます。
【４】グランデッツァに騎乗予定のデムーロ騎手は？
皐月賞でグランデッツァに騎乗を予定しているのはミルコ・デムーロ騎手。2012年の騎乗成績は【10・７・３・10】複勝率66.7％とおかしなことをやっています。11番人気２着、９番人気２着と人気薄でもやりたい放題。
で、このデムーロ騎手。皐月賞単体で見た時の相性がメチャクチャ良いんですよね。過去の皐月賞成績はこんな感じです。
2002年 タイガーカフェ（８番人気）２着
2003年 ネオユニヴァース（１番人気）１着
2004年 ダイワメジャー（10番人気）１着
2004年 タイガーカフェ（７番人気）12着
スゴイの一言ですね。騎手という観点で見た時、グランデッツァの不安要素はないと言い切れるでしょう。
◇あすは「ワールドエース×皐月賞×福永祐一。あらゆるデータを分析！」をお送りします！（続）
（競馬天気：皐月賞特別企画）
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