2015年05月07日
「第２０回ＮＨＫマイルＣ」（１０日、東京）の追い切りが６日、美浦、栗東トレセンで行われた。美浦組ではグランシルクが軽快な走りを披露した。ニュージーランドＴでは大きく出遅れながら猛然と追い込み２着。驚異の末脚を東京の長い直線で全開させる勢いだ。なお、同レースは７日、出走馬が確定する。
鎧（よろい）をまとったようなぶ厚い後肢がウッドチップを軽々と蹴り上げる。すらりと長い前肢がしなやかに伸びる。グランシルクの最終追い。Ｗコースで６馬身先行したツクバインドラ（５歳未勝利）の内から差を詰めると、余力残しで併入に持ち込んだ。
「前走（ニュージーランドＴ）から中３週だから無理せず最後の反応だけ見た。適度に気合も乗って、申し分ない気配になった」。満足そうな笑みを浮かべながら切り出した戸田師。「それにしても、体が随分成長してきた。２歳時はきゃしゃだったのに、トモ（後肢）に張りが出てきた」と愛馬に頼もしげな視線を向けた。
２頭の半兄を含めたこの牝系の大半を手掛けてきた同師。「叔父のブレイクランアウト（０９年共同通信杯優勝）は筋肉隆々で脚が短く、ゴムまりのような弾力性があったが、こちらは父ステイゴールドの影響で脚が長くてシャープな体形。よくしなるムチのような動きをする」と説明した上で、こう続けた。「この血統は掛かりやすい半面、折り合えば爆発力を発揮するのが特長」。
１８００メートルからマイルに転じた途端、未勝利、５００万を連勝し、ニュージーランドＴ２着。「デビュー２戦は１８００メートルのスローな流れで折り合いを欠いていたが、距離短縮で思い通りの結果が出せた」と振り返る。
その前走は敗れても強烈なインパクトを残した。ゲートで暴れた外枠の馬に気を取られた瞬間に前扉が開き、驚いて体が伸び上がった。４馬身の出遅れ。それでも、４コーナー最後方から大外を回って追い込んだ。手綱を取った戸崎は「致命的な位置から（３／４馬身まで）差を詰めている。本番が楽しみ」と語った。
この中間はゲート内で駐立練習も行い、万全の態勢で迎える大一番。「先週（フェノーメノが故障で回避した天皇賞・春）は騎乗予定だった戸崎に申し訳ないことをした。その分まで頑張りたい」と戸田師は締めくくった。
（スポニチアネックス）
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