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【ダービー】武との最強“キズナ” ディープ思い出す鬼脚&強心臓

2013年05月23日

父子制覇へ、キズナが万全の態勢を整えた。「第80回日本ダービー」(26日、東京)の追い切りが22日に美浦、栗東両トレセンで行われた。栗東では重賞連勝中のキズナが主戦の武豊を背に坂路で4F54秒3。ラストはいっぱいに追われ1F12秒4と抜群の伸びを見せた。武豊はキズナの父ディープインパクト以来となるダービー5勝目に向け、意欲満々。なお、同レースの出走馬、枠順は23日に決定する。 【ダービー】

 父譲りの末脚は、たとえ調教であっても隠しきれない。キズナの追い切りは坂路でウォーターパーク(3歳未勝利)との併せ馬。残り200メートル手前で武豊の手が動くと、青鹿毛の馬体が躍動した。

 大きなフットワークで併走馬を置き去りにし、ラスト1Fは12秒4と出色の伸び。「動きは良かった。素晴らしい。一戦一戦成長している。パワーアップして、切れも磨きがかかっている」。鞍上が並べた称賛の言葉が、今の出来を物語る。

 毎日杯、京都新聞杯を連勝。ともに届かないかという位置から桁外れの末脚を繰り出した。父は武豊とのコンビで3冠を達成したディープインパクト。ダービーは5馬身差の圧勝だった。「ディープの子供で出られるのはうれしい」。産駒3世代目で初めて同産駒とのコンビで臨む頂上決戦。ダービー4勝の名手は特別な思いを口にした。

 キズナは父同様に破壊力満点の末脚が武器。武豊は「走るフォームや背中の感触。父の遺伝子を受け継いでいるのを感じる」と話すが、それだけではない。「度胸が据わったところがあって、スタートが近づくにつれてレースに集中してくる珍しい馬」と精神面の特長も強調した上で、こう付け加える。「ディープもうるさかったが、スタート直前が一番おとなしかった。そういうところも似ている」

 心身ともに偉大な父を彷彿(ほうふつ)させるとあれば、府中で最高のパフォーマンスを期待するのも当然だ。距離はもちろん左回りも初めてだが、「決して右回りが上手という感じではない」とのジャッジ。佐々木師も「右手前を多用しているので、左回りは合うと思う」と歓迎している。

 ダービーの父子制覇はこれまで7組が達成しているが、父子ともに同じ騎手が手綱を取った例はない。「追い切りまでは万全。悔いのないレースをして、勝ちたい」と武豊。8年の時を越え、キズナが飛ぶ。

(スポニチアネックス)

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