2012年12月20日
「第57回有馬記念」(23日、中山)の追い切りが19日、栗東、美浦トレセンで行われた。皐月賞&菊花賞の2冠馬ゴールドシップは坂路に登場。スタートからゴールまで、しっかりと馬体を併せた。菊花賞後、陣営はグランプリに向けて馬体を改造。中山の急坂をこなすマッチョなボディーへとチェンジした。同レースは20日枠順確定。21日、金曜売りされる。 【有馬記念】
猛烈な吹雪。芦毛馬ゴールドシップは馬体を真っ白にしながら坂路を駆け上がった。
スタート直後からジャスタウェイ(3歳オープン)と馬体を並べて併走する。手応えは終始、劣勢だったが、手綱を取った北村浩平助手(28)が気合をつけると懸命に食らいついた。ラスト200メートルすぎからは右ステッキ計7発。懸命に併入に持ち込み、800メートル54秒5~200メートル13秒8をマークした。
須貝尚介師(46)は調教後の愛馬をチェックしながら、納得の表情を浮かべた。「先週しっかりやっているし、最初から最後までびっしり併せて息をつくることに重点を置いた。ステッキを入れたのはレースに向けて気合をつけるため。動きには十分満足している」
さらに指揮官は目の前で輪乗りする愛馬の馬体に視線を送りながら、その変化を口にした。「見てよ、この馬体。長距離仕様だった菊花賞とは別の体だろう」
馬体改造。これこそが暮れの大一番に向け、指揮官が課したテーマだった。前走の菊花賞(1着)は京都芝3000メートルの長丁場。師は「体を薄くつくった」と振り返る。マラソンランナーのように無駄な肉をそぎ落として臨んだ。
だが、舞台は中山芝2500メートルに替わる。500メートルの距離短縮。さらに残り180~70メートル地点に高低差2・2メートル、日本一の急坂が待ち構える。勝負どころを一気に駆け上がるパワーが不可欠だ。「中山は力のいる馬場。そこに対応できる体をつくりたかった。胸前の筋肉に注目してほしい。いい筋肉が付いてパワーアップ。当日は10キロ前後のプラス体重(前走500キロ)になると思う」
理想のボディーにするため、菊花賞後は栗東近郊の吉澤ステーブルWESTへ短期放牧に出した。「攻めていけるよう、できるだけ体を増やしてもらった」と師。11月21日、20キロ増の体で帰厩。そこから入念に調教を積み、増えた分を筋肉へとつくり変えた。
菊花賞を制し、世代No・1となったが、今回は初めて古馬の一線級と激突。師は「人気になっても、あくまで挑戦者の立場」と前置きした上で「思惑通り仕上がったし、競馬もうまくいってくれれば」と期待を込めた。
そして、最後にこう締めくくった。「芦毛馬で、勝負服は赤と白。ファンのみなさんに、いいプレゼントができるサンタクロースになればいいかな」
クリスマス2日前の大決戦。芦毛のサンタが降臨する。
☆栗東坂路のポイント 全長1085メートル、高低差32メートル。勾配2.0%でスタートも、じき3.5%(570メートルで26メートル上る)へときつくなる。目下、非常に時計がかかる状態。水分を含むと、一気にパワーを要するコンディションとなり、54秒台なら悠々合格。ラスト重点なら13秒前半が目標。
(スポニチアネックス)
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