2011年11月02日
■アルゼンチン共和国杯〜個々の馬分析
・オウケンブルースリ
スランプ気味であったが、前走でやや復調気配。3年連続馬券対象馬を出しているジャングルポケット産駒でもあり、スタミナを問われる東京芝2500mという条件は血統的に向いている。ある程度ペースが締まるのが理想。
・カリバーン
様々なコースに対応しているものの、本質的にはスローペースの2000m前後がベストの馬と考える。スタミナが要求されるここは多少適性からずれる印象。器用な先行馬で馬群も苦にしないため、内枠はプラスに作用する。
・キングトップガン
今年の目黒記念を勝ったこともあり、コースへの適性はある。ただし、前走より距離短縮時の成績が[4 2 1 6]で複勝回収率606%に対して、延長時の成績が[2 0 0 12]で複勝回収率38%(ただし、目黒記念は延長の2勝のうちの1勝に含まれる)と、臨戦的にはベストとはいえない。函館記念で内枠を生かして勝利したように、馬群を気にしないので内枠は向く。
・コスモヘレノス
豊富なスタミナによる持続力が持ち味の馬。スタミナが問われるこの条件は得意。過去の成績では、外枠で凡走し、内枠で巻き返す傾向があるため、できれば内枠を引きたいところ。前走は苦手な外枠に加え、前残りの競馬で全く力を出せていない。
・ナムラクレセント
厳しい流れになれば良さが生きる馬。出遅れながらも、出入りの多い競馬を自ら動いて3着に粘った今年の天皇賞(春)はこの馬の持ち味を存分に生かした。スタミナにも不安なし。ある程度ペースが締まれば大崩れはなさそう。
・ネコパンチ
最近の好走タイミングが、前走より距離延長時に多いことや、函館芝26というスタミナを要求される条件で圧勝したことからも、スタミナ勝負のこの舞台は合っている。近走好走時の上がりが35秒以上という切れ味不足のこの馬にとって、開幕週の高速馬場の京都大賞典は適性で大きく見劣っていたもので、力負けとはまだ言い切れない。
・ビートブラック
菊花賞3着の実績からもスタミナ面に問題はないため、このコースへも対応可能。急坂のある阪神で芝での4勝全てを挙げているように、力のいる馬場を得意としているので雨が降るのが理想的。
■展望
ジャングルポケット産駒、グラスワンダー産駒がともに3年連続馬券になっているように、スタミナを要求される舞台。トーセンジョーダンもそうだが、特に今年10月の東京芝ではジャングルポケット産駒が多数活躍している。今年もジャングルポケット産駒をはじめとしたスタミナ血統には警戒。
ただし、登録馬を確認すると、2500mという距離の関係もあり、当然ながらスタミナに不安が少ないメンバーの比率が高いため、適性だけで優劣を決めるのが難しい。よって、当日の天気や枠などから絞り込んでいくことが通常以上に必要となる。
人気どころでは、今開催の東京芝で好調のジャングルポケットということもあり、トップハンデでもオウケンブルースリは悪くない。他では、ビートブラック、ナムラクレセントなども人気馬の中では適性上位。
穴としては、前走で力を出し切れていないコスモヘレノスとネコパンチが面白い。コスモヘレノスは、昨年の同レース3着もあって適性は証明済み。あとは、得意な内枠が引ければ。ネコパンチは、圧勝したみなみ北海道Sの内容が優秀であり、力をつけている印象。
ジャングルポケット、グラスワンダーと、3年連続で異なる複数の種牡馬の産駒が馬券になり続けている重賞は他にはない。この事実からも、毎年似たような適性の馬が走っているといえる。今年もこの2頭の産駒に加え、スタミナという似たような長所をもつ馬を重点的に狙っていきたい。
（競馬天気：火曜コラム・sper「重賞×オープン馬分析」より）
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