2011年12月20日

【有馬記念出走予定馬分析】適性なら最上位!ヴィクトワ―ルピサ巻き返しも

■個々の馬分析
・アーネストリー
本質的には中山、阪神内回り、京都内回りのような小回りコースが得意なので、前走に比べて条件は好転。自分で動いてレースをコントロールできる器用さは武器となる。あとは、宝塚記念のようにロスなく運べる内枠ならばさらに良い。天皇賞直行組は、過去5年で6頭出走して3勝2着1回と好走率高い。

・ヴィクトワールピサ
中山では全勝しているように、直線に急坂のあって力のいる中山芝は、パワーのあるこの馬が最も得意とする条件。前走はレースに参加しておらず、疲労は少ない状態。どこまで本調子に戻っているかであるが、前走が嫌われて大きく人気を落とすようなら狙うのも面白い。

・エイシンフラッシュ
前走は、条件自体は向いていたが、3〜4角で内ラチ沿いにいた4頭がそのまま1〜4着を占めたような内有利の状況で外を回る展開が応えた。ハイペースに巻き込まれた天皇賞(秋)もそうだが、ここ2走チグハグな競馬が続いており、力を十分に出せていない。本来得意な内枠が引ければ巻き返せるだけの力は備えている。

・オルフェーヴル
高速決着への対応力に加え、スタミナも十分なため、きさらぎ賞のような軽い馬場での極端な瞬発力勝負以外、大きな弱点がない。不良馬場のダービーを勝ったことからも、本質的には時計のかかる馬場、急坂などでの底力勝負で良さが出るため、中山芝2500mへの対応も問題ないと考えられる。人気だが有力な1頭。

・ジャガーメイル
前走は内枠からロスなく回ったものではあったが、叩かれつつ徐々に本調子を取り戻してきた。中山は長らく出走しておらず未知であるものの、スタミナの裏づけに加え、速い上がりにもある程度対応できることから適性に問題はない。前走がフロック視され、前走着順ほどの人気にならないことが見込めるため、再度あっと言わせる場面も。

・トーセンジョーダン
前走はレコードの反動もなく好走。積極的な競馬によって内有利の馬場を生かしたウィリアムズ騎手の好騎乗も光った。有馬記念は適性としては向いている条件。ただし、レコード勝ちの天皇賞(秋)1着に続き、JCでも2着好走と、多少の蓄積疲労には警戒。

・ブエナビスタ
前走は、有利な状況だった内枠とはいえ、多少力が落ちているのでは?という私の憶測をあざ笑うかのような完勝劇。有馬記念も連続で連対しており、中山でも大きな問題はないものの、東京の方がより力を出し切れる馬ではある。



■展望
今開催の中山は、通常よりも馬場が荒れ気味で、特に先週ぐらいから枠順の有利不利が小さくなっている状態。とはいえ、天皇賞(秋)でレコードが記録されるような高速馬場になったり、ジャパンCで突然荒れていた内が補正されたりしたように、近年は大レースに合わせて馬場を整備してくる傾向がある。よって、ここも突然内枠や先行馬有利な馬場に戻る可能性もあり、まずは土曜日の競馬で傾向を判断したい。

適性としては、まずはアーネストリーに注目。天皇賞(秋)は、大外枠やハイペースも敗因のひとつであるが、もともとコース自体が適性とずれていた面もある。宝塚記念を勝ったときのように自分から動いてスタミナ勝負に持ち込めれば。また、過去5年で、天皇賞から直行した馬は[3 0 1 2]と高確率で好走(2007年9番人気1着マツリダゴッホ、2008年1番人気1着ダイワスカーレット、10番人気3着エアシェイディ、2009年2番人気1着ドリームジャーニー)。ここ一本に絞ったローテにも好感がもてる。

人気どころでは、3冠馬オルフェーヴルに重い印をつけざるを得ない。中山芝2500mは、スピード、スタミナがバランス良く問われる舞台で、総合力から死角は少ない。

他では、逆転要員として、調子が戻るか微妙もヴィクトワールピサには期待したい。中山全勝であり、適性ならば最上位。ドバイWCの勝ち馬でもあり、本来はもっと人気すべき馬。

ジャガーメイル、エイシンフラッシュなども、人気や馬場、枠次第では軸まであり得る馬。過去3年でいずれも2桁人気の馬が馬券に絡んでいることからも、人気薄でも安易に消さず、最後まで好走の可能性を追求していきたい。

(競馬天気)

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