2010年11月11日
【エリザベス女王杯】アパパネ5冠へ圧巻!78秒9猛時計
牝馬の頂上決戦「第35回エリザベス女王杯」の追い切りが10日、栗東、美浦トレセンで行われた。栗東で調整を積む3冠牝馬アパパネは、序盤でペースアップする誤算こそあったがラストまで辛抱しきって6F78秒9の猛時計。G1・5勝目へ着実に前進した。
満点の追い切りではなかった。だが、アパパネは崩れることなく最後まで踏ん張った。3冠牝馬の真の実力、そして途方もない潜在能力を見せつけた。
福田調教厩務員を背にCWコースを単走。3コーナー手前で馬が行きたがり、12秒台へとピッチが上がってしまった。4コーナー手前で落ち着き、その後は低い姿勢でシャドーロールをリズミカルに揺らしたが、ラストは13秒0。12秒0でビュンと駆け抜けた秋華賞時と比べると、一見物足りなく映った。
「序盤で少し行きたがった。その分、しまいはいっぱいだったが、全体時計は速かった。許容範囲だよ、問題ない」と国枝師は解説した。確かにゴールの800メートルも手前から12秒台を3本並べてラストも加速しろというのは無茶な話。むしろ道中で飛ばしても直線でフォームが乱れなかったこと、13秒0でとどまったことを評価すべきだ。CWコースで6F78秒9もめったにお目にかかれない数字。全体で見れば、さすが3冠馬といえる動きだった。
「秋華賞後は、くたびれた感じもあったが、すぐに元気が戻った。体重は前走(490キロ)と同程度。調子は、いい意味での平行線かな」と国枝師。大目標が秋華賞だったので上積みがないのは仕方ない。とはいえ、外から他馬を完ぺきに封じ切った内容から、前走の出来を維持できれば、ここでも実力上位であることに疑いはない。
木曜追いか、という話が出たことについても師は言及した。「若干力みがあるので、間隔を1日だけ取ろうかという意見が出た。生き物のことで相当に微妙なレベルだが、僕が見て、そんなに気にする必要もないと判断し、ゴーサインを出した」と解説した。
今回は古馬、外国馬との初対戦。「強い馬もいて決して簡単ではないが、十分に戦えるはず。楽しみに感じる」と指揮官は力強く語った。3冠牝馬から名馬の域へ。エリザベス女王杯でアパパネの真の実力が試される。
≪中央G1年間4勝なら牝馬初の快挙≫アパパネが勝てば、中央G1年間4勝。牡馬ではテイエムオペラオー(5勝)、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト(4勝)がいるが牝馬では初の快挙。年度代表馬の座もグッと近づくが「そこまで考えていなかった。記者が投票してくれるようロビー活動でもしようか」と国枝師は冗談めかした。女王杯出走後は有馬記念でブエナビスタとの激突も期待されるが「グランプリについては、ゆっくり考える。今は目の前のレースに全力投球」と指揮官は語った。
スポニチアネックス - 2010/11/11 7:03