2010年11月10日
【エリザベス女王杯】死角のない上位4頭、血の力でセラフィックロンプの激走も
★ポイント1「秋華賞連対馬」
→過去10年、前走秋華賞で連対した馬の成績は【3・2・0・7】連対率41.6%。ちなみに秋華賞3着以下に敗れた馬は【1・0・0・27】であり、その差は歴然だ。
(ダイワスカーレット、アドマイヤグルーヴetc)
★ポイント2「前走2000m以上の牡馬混合重賞組」
→昨年、京都大賞典から臨んだクィーンスプマンテ、テイエムプリキュアが1,2着に入ったように、前走牡馬混合重賞から臨んだ馬の好走が目立つ。牡馬混合重賞>牝馬限定重賞という格付けは頭に入れておきたいところだ。
(クィーンスプマンテ、スイープトウショウetc)
★ポイント3「サンデー系」
→過去10年において、サンデーサイレンス系を父に持つ馬は6勝。残りの4勝の内訳は昨年のクィーンスプマンテを除くといずれもGI馬によるものだった。サンデー系が強いレースであることに間違いはなく、サンデー系の血を引く馬には注意が必要だ。
(リトルアマポーラ、トゥザヴィクトリーetc)
秋の牝馬頂上決戦・エリザベス女王杯。牝馬最強の枠を越えて現役最強馬にリーチがかかるブエナビスタ、BCフィリー&メアターフで4着と健闘したレッドディザイアこそ出走しないものの、三冠牝馬・アパパネをはじめ昨年の雪辱を晴らしたいメイショウベルーガなど多士済々なメンバーが揃った。
注目は何といっても三冠牝馬・アパパネ。ローズS4着から臨んだ秋華賞は外々を回って差し切る横綱相撲。同世代との勝負付けは完全に済んだ印象だ。不安点を挙げるとすればメイチの仕上げで臨んだ秋華賞からの上積みということになるが、エリザベス女王杯回避も視野に入れていた陣営が同レースへの出走を表明したことを考えると、体調面の不安はさほどないのかもしれない。
打倒・アパパネの最有力候補となりそうなのがメイショウベルーガ。昨年のエリザベス女王杯こそ5着に敗れたが、日経新春杯、京都大賞典と京都外回りコースの重賞タイトルふたつを引っ提げてGI奪取を狙う。昨年1,2着馬を輩出した京都大賞典から臨むローテーションもプラスだろう。それは京都大賞典3着から臨むプロヴィナージュにも言えることだ。
府中牝馬Sを勝ったテイエムオーロラはマイルCS参戦が濃厚ということで、その他古馬勢が手薄な感は否めない。リトルアマポーラ、レジネッタといったGI馬も前走で3歳馬に先着を許しているだけに・・・それならローズS1着、秋華賞2着と秋を迎えて上々一途のアニメイトバイオがアパパネと古馬勢との間に割って入るシーンを想定しておいたほうが良いかもしれない。アドマイヤグルーヴ、ローズバドなどエリザベス女王杯での秋華賞2着馬の好走歴もあり、距離もオークス4着なら許容範囲内だろう。
ちなみに過去10年のエリザベス女王杯において、サンデーサイレンス系種牡馬の産駒が1頭も馬券圏内に入れなかった年は一度もない。上位人気が予想される3頭(アパパネ、メイショウベルーガ、プロヴィナージュ)はいずれも父が非サンデー系であり、この3頭に付け入る隙があるとすれば父サンデー系ではないという血統的な部分になるだろう。
【データで見るオススメ馬】
★アニメイトバイオ
→過去10年、前走秋華賞で連対した馬の成績は【3・2・0・7】連対率41.6%。阪神JF、秋華賞とアパパネにもっとも迫った馬でもあり、前走の上がり3Fはアパパネのそれを上回るものだった。立ち回り次第で逆転の目も出てくる。
★アパパネ
→過去10年、前走秋華賞で連対した馬の成績は【3・2・0・7】連対率41.6%。秋華賞→エリザベス女王杯の両レースを制した馬は5頭を数え、関連性は高い。体調面が鍵を握るが、同馬の関西圏での好走歴を考えるといたずらに評価を下げることはできない。
【ローテーションで見るオススメ馬】
★メイショウベルーガ
→過去10年、前走京都大賞典組の成績は【1・1・0・1】連対率66.7%。昨年の連対馬2頭が歩んだローテーションだが、今年そのローテーションを歩んだのは同馬とプロヴィナージュのみ。牡馬混合重賞を2勝しているように実績は申し分なく、京都外回りのGIはこれ以上ない絶好の舞台。流れ次第で突き抜けてもおかしくない。
★プロヴィナージュ
→過去10年、前走京都大賞典組の成績は【1・1・0・1】連対率66.7%。昨年の連対馬2頭が歩んだローテーションだが、今年そのローテーションを歩んだのは同馬とメイショウベルーガのみ。京都での勝ち鞍がない点がマイナスだが、アパパネ、メイショウベルーガにはないサンデーサイレンスの血を有している点はプラスだ。
【血統で見るオススメ馬】
★セラフィックロンプ
→マンハッタンカフェ産駒は京都新聞杯3連覇を果たしているように京都2200mが大得意。NHKマイルカップで2年連続連対馬を出し、府中牝馬Sでワンツーしているように同産駒は好走するコースに偏りがあり、京都2200mという舞台で3戦連続の激走があってもおかしくない。
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