2010年09月23日

【オールカマー】シンゲン天下統一へ豪快デモ!

骨折明けでも態勢は整った。中山メーンのオールカマーの追い切りが美浦トレセンで行われ、昨年秋の天皇賞以来の実戦となるシンゲンが伸びやかな動きを披露した。3連勝中のミステリアスライトは濃いモヤの中で視認できたのはラストだけだったが、切れのいい脚さばきだった。なお、菊花賞トライアル「神戸新聞杯」組など関西馬の追い切りは、23日に一斉に行われる。

 東の猛将シンゲンは角馬場で30分間、入念に体をほぐしてからWコースへと現れた。落ち着きはらった様子で、単走でゆったりと動きだす。11カ月ぶりの実戦だが、重め感はなく軽やかなフットワークで徐々にペースアップ。直線は大外へ持ち出して仕掛けられると、鋭く反応してゴールに飛び込んだ。時計は6F84秒2〜1F12秒9。他の馬に騎乗して動きを見守っていた戸田師の笑顔が好調さを物語っていた。

 「長めから行っていい感じの追い切りができた。2週前にきっちり併せ馬をやっているし、きょうはこれで十分。頭のいい馬で併せるとレースが近いのが分かるみたい」

 昨秋の天皇賞(5着)のレース中に右トウ骨遠位端骨折を発症。それ以来、11カ月ぶりの長期休養明けとなる。それでも師は自信の表情だ。「放牧先でも順調に乗り込んでいたし、いつでもこちらに連れて来られる態勢だった。ここで始動するのは昨年と同じく天皇賞を考えて調整しやすい間隔だと思ったから。猛暑もあって体は太め感なくきっちり仕上がっている。鉄砲駆けするタイプだからね」

 昨年は2月の白富士Sから新潟大賞典→エプソムCと3連勝の勢いに乗ってオールカマーに挑戦。中山の鬼マツリダゴッホ、GPホース・ドリームジャーニーには及ばなかったが、約2年ぶりの右回りの舞台でG1馬に食らいついての3着。G1級の力を見せつけた。それでも戸田師は「昨年は春先の疲れを取りながらの調整だった。その点、今年は春先からじっくり乗り込んできたので調整はしやすかった」と昨年との違いを口にした。

 悲願のG1制覇へここは通過点にすぎない。マツリダゴッホは引退、ドリームジャーニーは今年3戦して勝ち星がない。ならば、十分に付け入るスキはある。昨年の後半戦の無念を晴らして天下統一へ、まずは大きな一歩を踏み出す。

スポニチアネックス - 2010/9/23 7:02