2010年09月22日

【神戸新聞杯】上がり3Fが優秀なサンデー系・シルクオールディーが2強に迫る

※施行条件が芝2400mに変更された2007年以降を対象とする

★ポイント1「上がり3F最速」
→過去3年、上がり3F最速を計時した馬の成績は【2・0・1・0】複勝率100%。先週のローズS同様、阪神芝では速い上がりがそのまま結果に直結するという特徴がある。過去のレースにおける上がり3Fの順位は必ずチェックしておきたい。
(イコピコ、ドリームジャーニーetc)

★ポイント2「GI3着以内馬」
→過去3年、ダービー出走馬の成績は【2・2・2・13】だが、馬券圏内に入った6頭にはGI3着内実績があった。2400mに施行条件が変更されてから夏の上がり馬はオウケンブルースリ以外に馬券圏内に絡んだ馬はおらず、春の実績をそのまま信頼して良いレースと言える。
(ディープスカイ、ドリームジャーニーetc)

★ポイント3「サンデー系」
→先週のローズS同様、サンデー系が強いこのレース。過去3年で勝ったのはすべてサンデー系の馬で、非サンデー系の馬は2着まで。馬券圏内に入った非サンデーにしてもオウケンブルースリを除く全頭にGI連対実績があっただけに、よほどの実績がない限りサンデー系の牙城を崩すのは難しそうだ。
(イコピコ、ディープスカイetc)


2007年から施行条件が芝2400mに変更された神戸新聞杯。2007年2着のアサクサキングス、2008年3着のオウケンブルースリがそれぞれ菊花賞を制していることからも、2000mで施行されていた時代よりも菊花賞との相関性が強まっている。今年も春のクラシック戦線を賑わせた馬が出走を予定しているだけに、菊花賞を占う上で目が離せない1戦となりそうだ。

施行条件変更後の3年で、大きく変わったのが春の実績馬と夏の上がり馬の成績。2000mの時代にはフサイチソニックやエアエミネム、サンライズペガサスといった夏の上がり馬が連対を果たしていたが、2400mになってからはオウケンブルースリの3着が最高。イコピコを夏の上がり馬の枠に加えるのは微妙なところであり、やはり構図としては「春の実績馬>夏の上がり馬」と言えるだろう。

今年のメンバーで注目を集めているのがダービー1,2着馬。エイシンフラッシュは厳しい流れの皐月賞で3着→超スローの上がり勝負となったダービーで1着と馬場・ペースを苦にしない自在性を持っている。一方、ローズキングダムは朝日杯FSこそ勝っているが、東スポ杯、ダービーのパフォーマンスを見るより上がり3F33秒台を要求されるスローの上がり勝負を得意としているのは明らか。この2頭の比較は難しいが、ダービーで最速上がりを計時したことを踏まえると得意な舞台とはいえエイシンフラッシュにやや分があるのかもしれない。

死角らしい死角が見当たらないエイシンフラッシュ。ただひとつ不安材料があるとすればサンデー系の血が入っていないことか。ローズSでもサンデー系の血が入っていないアパパネが4着に敗れたように、今の阪神においてサンデー系の血は必須である。

その他、サンデーサイレンスの血を持っている馬ではシルクオールディー。昨年の神戸新聞杯を制したイコピコと同じマンハッタンカフェ産駒であり、近5走中4走で上がり最速をマークしているように切れ味も持ち合わせている。マンハッタンカフェ、ファインモーション、ホクトスルタンなど阿寒湖特別を勝った3歳馬にはのちの活躍馬が多いという法則も後押しする。


【データで見るオススメ馬】

★エイシンフラッシュ
→ダービーでは上がり3F32.7秒という脚で差し切り勝ち。過去10年、2000mの時代を含めてダービー馬は神戸新聞杯で【3・2・0・0】と一度も連対を外していない。どんな流れにも対応できる自在型で、休み明けも皐月賞3着があるようにまったく苦にしない。

★ローズキングダム
→ダービーではエイシンフラッシュに次ぐ上がり32.9秒の末脚で2着。母父サンデーサイレンスは先週のローズSでワイルドラズベリーが2着に入っており、今の阪神において強調材料となる。新馬戦以降、関西圏での出走がなかった同馬だが、ヴィクトワールピサを下した関西圏で逆転があっても。

★レーヴドリアン
→皐月賞、ダービーを除いて上がり3Fで最速を譲ったことが一度もない同馬。その分位置取りが極端に後方になってしまうが、終いの脚はとにかく堅実だ。昨年の2着馬・リーチザクラウンと同じスペシャルウィーク産駒ということもあり、展開が向けば十分勝ち負けになる。

【ローテーションで見るオススメ馬】

★シルクオールディー
→古馬相手の1000万下を勝ってここに臨むというローテーションはオウケンブルースリとまったく同じ。5戦続けて上がり3F2位以内の末脚も魅力で、同馬の父・マンハッタンカフェの産駒は昨年イコピコが7番人気で勝利。使われている強みを生かすことができれば。

【血統で見るオススメ馬】

★ワイズミューラー
→ジャングルポケット産駒は一昨年の神戸新聞杯でオウケンブルースリが3着。勝ち上がった時期、古馬相手に勝っているという部分もオウケンブルースリと良く似ている。前走の勝ち時計2分41秒3はシルクオールディーのそれと0.2秒しか差がなく、近親にマンハッタンカフェがいる血統背景から重賞でいきなり通用しても不思議ではない。

(田原基成:競馬天気・火曜コラム「データ分析」、会員向けにはオールカマーも掲載中)