2010年09月17日

【セントライト記念】クォークスター遅れても“満足”

警報が発令されるほどの大雨となった美浦で16日、「第64回セントライト記念」の木曜追いが行われ、2頭出しで臨む堀厩舎のクォークスター、ダークシャドウが併せ馬で最終調整。クォークが直線で気合を注入されれば、ダークも負けじと先着。好調2騎で上位独占を狙う。

 視界が悪くなるほどの豪雨。馬場に水が浮く悪条件の中、クォークスターが気合のこもった走りを見せた。まずは、ダートコースで脚慣らしをしてからWコースへ。サムズアップ(5歳500万)が先導し、同じくセントライト記念に出走するダークシャドウを前に見る3頭縦列でスタート。5馬身後方からグングンを差を詰め、4角で先に併走状態になった2頭の内に潜り込んだ。直線は手綱をいっぱいにしごかれ必死に食い下がったが、最後は1馬身遅れてゴールした。

 レースではライバルとなる僚馬に先着を許す形となったが、陣営にとっては納得の調教。「ダークは稽古駆けするし夏に1度使っている。併せ馬の相手としては厳しい。きょうは強めに追うことが目的。調教で勝った負けたは問題ではない」。橋本助手は最終追いの主眼を明確に解説した。

 7月のラジオNIKKEI賞はアロマカフェに首差及ばず2着。後方追走から大外を回らされるロスの多い競馬だったが、それでも強烈な決め手を発揮して優勝馬に肉薄した。「前半からスムーズさを欠いたレースだったけど最後はよく伸びてくれた。器用な馬で、どこに行っても結果を出してくれる」と橋本助手の信頼も厚い。激走したG3以来、約2カ月ぶりの実戦となるが「放牧に出した期間も短いし、緩めた感じはない」と仕上がりに不安もない。

 春はクラシック出走こそ逃したものの、オープンでも安定して力を発揮。今回のメンバーなら明らかに実績上位だ。舞台は【2200】と抜群の相性を誇る中山。新コンビを組む藤岡佑もサマージョッキーズシリーズ総合Vと勢いに乗っており、マイナス要素は見当たらない。「春に経験を積んだし力を出し切ってくれれば」。単なる権利獲りではなく、勝って菊の舞台に立つ構えだ。

 ≪「経験」に裏付け≫通算成績【2401】のクォークスターだが、2着に敗れたレースの内容も濃い。デビュー戦で1馬身半差及ばなかったのが、オークスでアパパネと同着Vのサンテミリオン。プリンシパルSではエアグルーヴ産駒の良血ルーラーシップに突き放されたが、同馬はダービーで0秒3差5着に健闘している。ラジオNIKKEI賞では、今回人気を分けるアロマカフェと同タイムで入線。陣営の「経験」という言葉には確かな裏付けがある。

スポニチアネックス - 2010/9/17 7:03