2010年09月16日

【エルムS】重い札幌ダートで上がり最速の脚を使える馬に注目

★ポイント1「先行馬」
→過去10年、脚質別成績で群を抜いているのが先行馬。【8・6・4・16】複勝率52.9%はどの脚質にも勝るものであり、小回りの札幌ダート1700mらしく前に行けることが勝つための絶対条件となる。
(フェラーリピサ、ヒシアトラスetc)

★ポイント2「外枠」
→3〜4コーナーにかけてマクり合いになることが多いダート1700m戦では、終始プレッシャーをかけられ続ける内枠の馬より砂を被らずに先行できる外枠の馬が有利。過去10年、1〜3枠を引いた馬の勝利はなく、内枠を引いた馬の評価は下げたいところだ。
(パーソナルラッシュ、メイショウトウコンetc)

★ポイント3「休み明け」
→過去10年、10〜半年以内の休み明けで臨んだ馬は【3・2・3・22】複勝率26.7%とまずまずの成績。5番人気以内に推された馬に限定すると【2・2・3・8】複勝率46.7%と一気に数字が跳ね上がる。休み明けでも人気に推される実力馬は信頼できるのだろう。
(パーソナルラッシュ、ヒシアトラスetc)


タイキシャーロック、ニホンピロジュピタがのちのGI制覇への足がかりとしたエルムS。夏のダート戦線を戦ってきた馬が勢揃いするということもあって、一癖も二癖もあるメンバーが波乱の主役となるケースが特に目立つ、いわゆる荒れる重賞だ。

そもそもエルムSが荒れるゆえんには「1番人気馬が勝てない」という傾向にある。2003年のアドマイヤドンを最後に1番人気馬の勝利はなく、最後に1番人気馬が連対を果たしたのも2004年のタイムパラドックスまでさかのぼる。「1番人気は過信不可」ということは頭に入れておいたほうが良いだろう。

ただ、今年はその1番人気馬を予想するのが大変なほどの混戦ムード。実績ではかしわ記念3着、帝王賞4着のアドマイヤスバルということになるが、このレースで7歳以上の馬が勝ったことはない。しらかばSの1,2着馬・クリーンパッション&エーシンモアオバーも重賞実績に乏しく、ダート替りで人気しそうなモンテクリスエスも追込一手の脚質がネックになる。外枠有利なレースだけに、この4頭の優先順位付けは枠順を見て判断したい。

なお、最後に補足しておきたいのが「今年の札幌ダートは重い」ということ。能力差がはっきりしている新馬・未勝利戦を除く18レース中、逃げ馬が勝ったのは3レースしかない。その一方で上がり3F最速をマークした馬が11勝を挙げており、今年に限っては上がり3Fに優秀な数字を持つ馬を上位に取るのもひとつの手だ。


【データで見るオススメ馬】

★クリールパッション
→前走しらかばSでは上がり最速の脚でエーシンモアオバーを差し切った。札幌ダート1700mは3戦3勝と抜群の相性を誇り、同コースへの適性はメンバー中随一。マクることができる脚質も今の札幌ダートにはピッタリだ。

★アドマイヤスバル
→今回は帝王賞以来約3ヶ月ぶりのレースとあるが、エルムSで10〜半年以内の休み明けで臨んだ馬は【3・2・3・22】複勝率26.7%とまずまずの成績。サンプルが少なすぎてあまり参考にならないが、前走GI出走馬は2戦1勝。札幌ダート1700mも4戦3勝と好相性だ。ただ、好走歴が外枠に集中している馬なので、外枠を引きたいところだ。

★エーシンモアオバー
→しらかばSでは最後差されてしまったが、ペースを考えれば決して悲観する内容ではない。有力馬に差し・追込馬が揃ったことから展開は間違いなく前走より楽になるし、外枠を引くことができれば揉まれずに行けるので好走は可能だろう。馬場が渋るようだとなおのこと面白そうだ。

【ローテーションで見るオススメ馬】

★ラストアロー
→マリーンS出走後、しらかばSをパスしてここまで待った。ほとんどの馬が大沼S→マリーンS→しらかばSあるいはしらかばS経由でここに臨むことを考えると、かなり異質なローテーションといえる。だからこそ陣営の狙いを感じる1頭で、札幌ダート1700m2戦2勝という抜群の相性を誇るこの舞台では侮れない。

【血統で見るオススメ馬】

★モンテクリスエス
→シンボリクリスエス産駒は今開催の札幌ダートで【5・3・3・13】複勝率45.8%と抜群の相性を示している。同馬は前走芝を走ったが、ダートは春に2戦して1勝4着1回。そのいずれも上がり最速をマークしているだけに、ダート適性の高さに疑いの余地はない。

(データ分析・田原基成)