2010年09月16日

【ローズS】アパパネ豪快デモ!切れも抜群

「ローズS・G2」(19日、阪神)
 これが女王の貫禄だ。史上3頭目の“牝馬3冠”を目指すアパパネが15日、トライアルへ向けて豪快デモ。パートナーを置き去りにする圧巻の動きで、栗東坂路を力強く駆け上がった。ひと夏越して、さらにパワーアップ。復帰初戦から格の違いを見せつける。
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 まさに圧巻の一語。ひと夏越したアパパネのパワーアップは、想像をはるかに超えていた。あくまでも目標は先だが、女王はすでに気合十分。史上3頭目となる“牝馬3冠”制覇へ向けて、視界は極めて良好だ。

 朝一番の栗東坂路。池江寿厩舎のレディハピネス(3歳未勝利)の誘導で、最終リハはスタートした。とはいえ、併せ馬の形になったのはわずか一瞬だけ。直線に向き、ラスト1Fのハロン棒を過ぎたころには、パートナーはすでに置き去りになっていた。トレードマークの白いシャドーロールが、ぶれることなく、真一文字に直進。無駄のない動きで滑らかに加速し、トップスピードでゴール板を貫いた。

 3、4Fはエラーだったが、ラスト2Fは23秒7‐12秒0の切れ味。栗東まで駆けつけた国枝師も、この動きにはご満悦だ。「動きは良かった。併せ馬の予定だったが、相手があまり動かなければ行っちゃっていい。ある程度、時計を出していいと指示していたんだ。たぶん(4F)52秒ぐらいかな。状態は悪くないと思います」。期待通りの動きを見届けて、安どの表情を浮かべた。

 オークス優勝後は、放牧に出さず自厩舎で調整。8月に入ってから徐々に調教のピッチを上げ、最後の1冠・秋華賞を見据えてきた。4カ月の充電で、馬体は筋骨隆々にボリュームアップ。「牝馬という感じじゃない。男馬みたい」と成長ぶりに指揮官も驚く。

 抜群のレースセンスがあるうえ、オークスでは不安視されていた距離を克服。ひと夏越しての成長を加味すれば“3冠制覇”は現実味を帯びてくる。「無事に来ているし、いい競馬ができると思う。今まで通りにやってくれれば」。上々の仕上がりで臨む秋初戦。女王に死角らしい死角は見当たらない。

デイリースポーツ - 2010/9/16 9:13