2010年09月16日

【セントライト記念】アロマカフェ8馬身ぶっちぎり

中山のメーン・菊花賞TR「第64回セントライト記念」(3着まで優先出走権)の最終追いが美浦、栗東両トレセンで行われた。ラジオNIKKEI賞で重賞初優勝を飾ったアロマカフェはパートナーを8馬身ぶっちぎりの猛デモ。夏場を乗り越えて充実一途。重賞V2で父マンハッタンカフェに続く父子菊花賞Vに王手だ。

 ひと夏越えたアロマカフェが急激な進化を見せつけた。角馬場で入念に乗り込んだ後、Wコースへ。5F標識で前を行くメイショウドレイク(5歳500万)との差は7馬身あった。しかし、その差は瞬く間に詰まり、迎えた直線。残り1Fでパートナーをちぎると雄大なフットワークで独走。ゴールでは8馬身もの“大差”をつけていた。

 これには小島太師も笑顔で報道陣の輪へ。「春先はソエ(若駒特有の管骨の軽い炎症)が出ていたし、ラジオNIKKEI賞を勝った時もまだ完ぺきじゃなかった。でも、もう脚元はすべて固まった。だから、これだけハードにやれる。順調に夏も越せたし、安心しているんだ」

 育成段階から晩成型の気配を漂わせながら、それでも春は3勝を重ねた。青葉賞(4着)は道中の不利がなければ、ダービーの権利をつかんでいたかも…。続くラジオNIKKEI賞でうっぷんを晴らし、菊花賞の“出走権”も確保。悠々自適で夏休みに入った。「福島で勝った後はすぐここと決めたし、キュウリのような体つきが、ここにきて全体的にパワーアップしてたくましくなった。まだ良くなるけど、前走と比べたら今回の方が断然いい。とにかく気持ちの強い馬で根性は相当なもの」と指揮官は“充実の秋”に目を細めている。

 同じ小島太厩舎に在籍した偉大な父マンハッタンカフェも3歳秋に急激に成長を遂げ、01年菊花賞と有馬記念優勝。翌02年には天皇賞・春も射止めた。「親父の良い点が息子にも出ているな。いいところがこれからもっと出そうだ。まずはここをクリアしてほしい」。師は早くも本番の菊を見据え、重賞2勝目を視界に入れた。馬体をぶつけ合って勝った4月山藤賞や、クォークスターの追走を力任せに封じ込んだ前走を見ても、競った時の根性は超A級だ。父が4着に苦杯を喫したセントライト記念を白星で飾った時“父超え”の進撃が始まる。

スポニチアネックス - 2010/9/16 7:04