2011年12月14日
【朝日杯FS出走予定馬分析】ダローネガ無難も、内枠の妙味高い一戦
■個々の馬分析
・アルフレード
中山のように、持続力が問われるコースは向いている。ただし、2戦とも揉まれない競馬で外を差しての勝ちであり、一定の器用さが求められる小回りの多頭数戦よりは、頭数が少ない方が力が出しやすい。
・クラレント
初戦の新馬戦は、内で揉まれながら1400mを差して勝利した濃い内容。デイリー杯も好内容だったが、前走は不良馬場や放馬の影響があったとはいえ13着はやや負けすぎ。適性としても、平坦コースの方が良さそうな印象で、中山芝16の適性からは少しずれる。
・サドンストーム
距離経験は1400mまでであるが、逃げと差しの2種の競馬で結果を出している点は魅力。時計のかかる洋芝で勝っているように、パワーは優れているタイプで、コースへの適性はあると推測される。あとは、器用に競馬ができる馬なので、内枠が欲しい。
・スノードン
前走は最低人気での激走。朝日杯FSは、前走でオープン特別以上を勝った馬が好走する傾向がある。逃げ、差しと2種の脚質経験も魅力であり、前走がフロック視されるようならば積極的に狙いたい1頭。
・ダローネガ
前走出遅れたことで差す競馬を経験できたのは収穫。唯一崩れたのは新潟2歳Sだが、このときの新潟芝は内枠がかなり不利な馬場状況であった。本来は器用なタイプなので、特に内枠からスムーズに先行できれば好走の確率は高い。
・レオアクティブ
芝1200m〜1600mまでを経験し、脚質の経験も豊富。前走重賞勝ちという馬が相性の良いレースでもあり、ここもチャンスは十分。芙蓉Sでは崩れているものの、我慢がきくタイプであり、マイルの距離にも大きな問題はない。
■展望
今週も2歳G1。阪神JFではキャリア1戦のジョワドヴィーヴルが勝利と、経験重視の買い方は裏目に。ただし、キャリア1戦でのG1制覇は史上初であるように、これはそう何度も起こっている事象ではない。よって、ジョワドヴィーヴルの勝ち方には敬意を表しつつも、ここも長期的視点で考えて期待値の高い「厳しい経験重視」で臨む。
経験の他の要素として、本レースは「前走オープン以上のレースで1着」という馬が強い傾向にある。このパターンの馬は、セイウンワンダー、ローズキングダム、グランプリボスと3年連続で勝利している。その意味では、前走でオープン特別を勝っているスノードン、レオアクティブは評価したい。また、人気だが、ダローネガは死角が少なく、単純に好走の可能性ならばこれが最も無難。
ただし、このレースは中山芝1600mというコースの性質上、枠順の影響も大きい。「内枠有利はバレていて妙味がないのでは?」ということはなく、「バレていても内枠から」が基本のコースでもある。例えば、このコースでは、2010年以降2年間で12頭立て以上(100レース)の複勝回収率について、1、2枠が94%、83%と高く、7、8枠はそれぞれ58%、54%と低い。また、過去10年の朝日杯も、1枠の馬が3着以内率42.1%をマークしているが、7、8枠は[0 1 1 30]とほとんど馬券に絡んでこない。
よって、事前に高評価した馬でも、枠によって評価を下げるケースはありうる。逆に、能力や適性が一歩足りなくても、内枠ならばカバーできる可能性はある。例えば、昨年2着馬リアルインパクトについては、ベストは東京のような広いコースと考えているが、内枠を生かして中山のここでも好走した。経験重視の買い方をもとにしつつ、枠順についてもいつも以上に警戒したい。
(競馬天気)
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