2011年11月29日

【JCダート出走馬分析】ヤマニンキングリーが持つ強力データは?

■個々の馬分析
・エスポワールシチー
今年は昨年ほどのパフォーマンスを見せられずにいたが、前走の圧勝で復活気配。能力は当然ここでも上位。2年前にジャパンカップダートを勝っているように、このコースでも大きな不安はない。ただし、全盛期の「向かうところ敵なし」のような勢いは失っている印象であり、トランセンドよりは取りこぼしの危険性が高そう。速い時計の決着には強いので、雨で脚抜きが良くなる状態は歓迎。

・ダイショウジェット
とにかく走っても走っても人気にならない馬で、8歳の今年も変わらず穴を演出。過去54走しているが、人気より下の着順に負けたのは9回しかない。どこの競馬場でも、1400〜1800mなら満遍なく穴をあけている馬で、適性も幅広い。差し脚が安定しているので、強力な先行馬が他の先行馬を早めに脱落させるような展開になれば、漁夫の利で上位に食い込める可能性も。

・ダノンカモン
スタートがうまく、かつ器用に先行できるタイプのため、大崩れしにくい馬。広い東京のダート1400〜1600mがベスト条件であり、急坂のある阪神ならば1800mは少々長い印象がある。

・テスタマッタ
距離の守備範囲が広い馬。あっさりと弱い相手の人気で敗れる反面、G1でも強い相手にしぶとく食い下がったりする性質のため、メンバー強化のここは面白い。その理由のひとつとしては、強い相手のレースの方がペースが締まりやすいことがあげられ、この馬自身、タフな状況で良さを見せる。コース適性は、今年のマーチSの完勝で証明済み。


・トランセンド
過去、2度レコードを出していたり、ドバイのオールウェザーにも対応したりしているように、ダート馬の中ではスピードに優れており、時計の速いダートに適性がある。阪神コースは昨年のジャパンCダートでも勝っているように、問題なく走れる条件。稍重だった昨年の本レースように、馬場が渋ればなお良い。

・ニホンピロアワーズ
デビュー以来、一度も馬券圏外になったことがない堅実派。相手なりに走れる馬で、メンバー強化のここでもチャンスはある。ただし、強力な同型が揃っているので、楽な展開にはならなそうなのが難点。その意味で、前走で控えても3着となったのは収穫といえる。

・ヤマニンキングリー
初ダートのシリウスSを完勝。初ダートの馬が3歳夏以降・オープン以上のクラスで勝ったのは、2007年エニフSのマイネルスケルツィ以来約4年ぶりで、ヤマニンキングリーが勝つまで2006年から[1 1 1 84]、単勝回収率6%、複勝回収率11円という散々な成績だった。2000年以降までデータの範囲を広げても、[7 2 5 147]の3着以内率8.6%、単勝回収率44円、複勝回収率29円と、初ダートをオープンクラスで買うのは、期待値がかなり低いことを示す。ただし、このうち勝った7頭はクロフネ、ブルーコンコルド、メイショウボーラー、ヴァーミリアン、サイレントディール、テンジンムサシ、マイネルスケルツィという面々で、後にG1まで勝った馬が4頭もおり、初ダートでいきなり結果を出す馬は、能力とダート適性を併せもつ可能性が高い。この馬自身、相当なダート適性を秘める可能性はある。

・ワンダーアキュート
ダート馬の中ではスタミナ面が長所。その意味では、ダート1800mでも、平坦な京都から急坂があってタフさが要求される阪神に変わるのはプラス材料。


■展望
ダート路線は、勢いのある強力な馬と、それを追いかけるグループとの差が芝に比べて大きい。例えば、かつてのライブリマウントやホクトベガ、アドマイヤドン、ゴールドアリュール、カネヒキリ、ヴァーミリアンなど、突出した馬がG1を含めて連勝を重ねるケースが多く見られる。

今年も、トランセンド、エスポワールシチーと強力な実績馬が存在。特にトランセンドはまだ勢いが十分にあるため軽視はしにくい。死角があるとすれば、ややピークを過ぎた感のあるエスポワールシチーの方か。ジャパンCダートでは、過去2000年のファストフレンド以外1番人気が馬券になっているが、2番人気は[0 0 0 11]で全馬4着以下というデータもある。

最後に急坂が待ち構えるコースということもあり、強力な1番人気の先行馬が強い反面、メイショウトウコン、シルクメビウス、ゴールデンチケット、グロリアスノアなど、差し馬に穴が潜むことが多いレースでもある。

差し馬の中では、テスタマッタとダイショウジェットが穴候補。強力な先行馬が他の先行馬をつぶすような展開になれば浮上。また、差し馬ではないものの、ニホンピロアワーズやワンダーアキュートなども、阪神ダート1800mへの適性は高いと考えられる。

また、人気薄とはいかなそうだが、ヤマニンキングリーの走りには注目。個々の馬分析に記載のとおり、2000年以降、初ダートで3歳秋のオープン以上を勝った馬は、7頭のうち4頭が後のG1ホース。相当なダート適性を秘める可能性もある。

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