2010年12月01日
【JCD】条件好転のシルクメビウスが一歩リード、穴なら季節巧者・ダイシンオレンジ
★ポイント1「前走1着馬」
→過去10年、JCDにおける前走1着馬(日本馬に限る)の成績は【4・4・4・23】複勝率34.2%。2005年を除いてこれに該当する馬が馬券圏内に入ることができなかった年は一度もなく、近走の勢いは重視したいところだ。
(エスポワールシチー、アロンダイトetc)
★ポイント2「近3走3着以内」
→過去10年、近3走(ダート限定)すべてで3着以内に入っていた馬の成績は【4・4・5・28】複勝率31.7%。2008年勝ち馬・カネヒキリのように惨敗後の巻き返しが利くのはGI3着内経験馬に限られており、人気薄の好走が目立つことから前走1着馬と合わせて注目したいデータだ。
(ゴールデンチケット、フィールドルージュetc)
★ポイント3「サンデー系」
→阪神ダート1800mに施行条件が変更された2008年以降、馬券圏内に入った6頭中5頭までもがサンデーサイレンスの血を引く馬だった。東京ダート2100mで施行されていた時代ではカネヒキリ、ヴァーミリアンのみが馬券圏内に入ったサンデー系ということで、阪神ダート1800m替りで明らかに血統の傾向が変わっている点に注意したい。
(エスポワールシチー、カネヒキリetc)
今年で第11回目を迎えるダートの国際GI・ジャパンカップダート。ただ、国際GIと言いつつ今年は外国馬の参戦がなく、国内ダート最強馬・エスポワールシチー、JBCクラシックを制したスマートファルコンの有力馬2頭は同レースを回避。サクセスブロッケン、カジノドライヴといった実力馬も休養中ということで、国際GIとしては少々寂しいメンバー構成になりそうだ。
そんな中、注目されているのがヴァーミリアン、キングスエンブレムの兄弟対決。ヴァーミリアンはGI9勝、キングスエンブレムはGI初挑戦と対照的な実績を持つ2頭だが、近走成績を踏まえるとキングスエンブレムがやや優勢か。というのも、JCDは「格より勢い」のGIであり、グレードに関係なく近3走すべてで3着内に入っている馬の好走が目立つのだ(アロンダイト、ゴールデンチケット、ジンクライシスなど)。ヴァーミリアンはこれを満たしていない上に中央場所で走った近2走は掲示板に入ることすらできていない。また、過去のJCDで休み明けが【0・0・0・6】という点も気がかりだ。
昨年のJCD2着馬・シルクメビウスはどうか。前走JBCクラシックでは4着に敗れたが、同馬は左回りでは【1・0・0・3】、右回りでは【6・3・1・1】と極端な差がある。今回は右回りに舞台が替る点に加え、4戦4勝の叩き2戦目ということで前走からの大きな上積みは必至だろう。キングスエンブレムと並ぶ優勝最有力候補として挙げておきたい。みやこSを制したトランセンドも有力候補と言えるが、JCDで逃げて馬券圏内に入った馬が昨年のエスポワールシチー1頭のみであり、脚質的に不安が残る。
ちなみに阪神ダート1800mに施行条件が変更された2008年以降、馬券圏内に入った6頭中5頭までもがサンデーサイレンスの血を引く馬だった。これはサンデー系の血を引く馬で馬券圏内に入ったのがカネヒキリ、ヴァーミリアンの2頭のみだった東京ダート2100m時代のJCDには見られなかった傾向であり、このレースでサンデー系の血を引く馬6頭(アドマイヤスバル、アリゼオ、オーロマイスター、キングスエンブレム、シルクメビウス、ヴァーミリアン)には血統面で見る穴馬候補として注目しておきたい。
【データで見るオススメ馬】
★キングスエンブレム
→過去10年、近3走(ダート限定)すべてで3着以内に入っていた馬の成績は【4・4・5・28】複勝率31.7%。今年の出走予定馬でこれを満たすのは同馬とトランセンドのみで、阪神ダート1800mに施行条件変更後のJCDで好走が目立つサンデーサイレンスの血を引く点も魅力だ。
★トランセンド
→過去10年、近3走(ダート限定)すべてで3着以内に入っていた馬の成績は【4・4・5・28】複勝率31.7%。今年の出走予定馬でこれを満たすのは同馬とキングスエンブレムのみで、前走キングスエンブレムに先着している点は心強い。JCDで逃げ馬は不振傾向にあるが、内枠を引いてすんなり先手を奪えるようなら侮れない1頭だ。
★シルクメビウス
→左回りでは【1・0・0・3】、右回りでは【6・3・1・1】と極端な開きのある同馬。今回は右回りに舞台が替る点に加え、4戦4勝の叩き2戦目ということで前走からも大きな上積みは必至だろう。阪神ダート1800mに施行条件変更後のJCDで好走が目立つサンデーサイレンスの血を引く点も魅力だ。
【ローテーションで見るオススメ馬】
★アドマイヤスバル
→過去10年、JBCクラシック3着内馬の成績は【2・3・2・6】複勝率53.8%。2009年5月以降のレースで掲示板を外したことが一度もなく、昨年のJCDは3着馬とタイム差なしの5着。阪神ダート1800mに施行条件変更後のJCDで好走が目立つサンデーサイレンスの血を引く点も魅力だ。
【血統で見るオススメ馬】
★ダイシンオレンジ
→アグネスデジタル産駒は阪神ダート1800mで【9・6・4・44】複勝率30.2%。4月〜9月が【2・0・1・24】、10月〜3月が【7・6・3・20】と寒い時期に良績が集中しており、ダイシンオレンジ自身も寒い時期を得意としている。アンタレスSではシルクメビウス、トランセンドに先着しているように、能力はここでも十分通用する。
(競馬天気:火曜コラム・田原基成「データ分析」より)
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