2010年10月22日

【菊花賞】ヒルノダムール余力残して11秒4

「第71回菊花賞」の木曜追い切りが21日、栗東トレセンで行われた。札幌記念4着から青写真通りのローテーションで挑むヒルノダムールが、主戦・藤田を背に抜群の動きを披露、仕上がりの良さをアピールした。

 皐月賞馬とダービー馬が不在になった菊花賞。ローズキングダムの1強説は仕方ないとして、次位筆頭は皐月賞2着馬ヒルノダムールか。我こそが最強の刺客と言わんばかりに、昆師は熱い胸の内を明かしている。「(春のクラシックは)どれか1つ獲ってもおかしくなかっただけに残念な気持ち。最後の1冠だけはなんとしても欲しい。借りを返したい気持ちです」

 追い切りは鞍上の藤田と息ピッタリのコンビネーションだ。CWコースで2歳未勝利のオーシャンフリートと併せ馬。4角から直線にかけて外に壁役を演じさせてヒルノダムールは内から寄せるようにして抜け出した。上がり重点で1F11秒4。上々の反応に指揮官は「余力残しでの11秒台。ほぼ満点に近い」と力をこめた。

 輸送で体を減らしてしまうことに陣営は考え抜いたローテーションを組んだ。滞在競馬となる札幌記念(4着)を使って栗東帰厩。その後はこのレース一本に絞っての調整だ。「調教で仕上げられる自信があったのであえてトライアルを挟まなかった」とすべてはプラン通りと強調する。

 厩舎の屋台骨を支えてきたローレルゲレイロが引退。次期エースに指名される器に昆師の注文も大きく「3冠レースすべてに挑むのは春から決めていた。菊花賞は目標にしていたので狙っている」とG1獲りの野望を隠さない。皐月賞→ダービー→菊花賞と戦うのは能力プラス丈夫な体、そして運も必要なのは当然。「ダービーの時が凄い体だったが近づいてきた」と言い放った言葉がずしんと響いた。

スポニチアネックス - 2010/10/22 7:04