2010年10月22日

【菊花賞】キングダム抜群!バラ色の仕上げ

牡馬クラシック最終決戦「第71回菊花賞」(24日、京都)の木曜追い切りが21日、栗東トレセンで行われた。前哨戦の神戸新聞杯を制したローズキングダム(牡=橋口)は併せ馬で抜群の動きを披露、さらなる上昇ぶりを見せつけた。ダービー馬エイシンフラッシュがこの日、出走回避を発表。断然の人気を背負ってラスト1冠に挑むことになった。同レースは枠順が確定、22日に金曜売りが行われる。

 ラスト1冠は渡さない。春の雪辱に燃えるローズキングダムが、坂路で豪快デモだ。ナイスミーチュー(3歳1000万)を追走する形でスタート。人馬一体。流れるようなフォームで駆け上がっていく。迎えた最後の直線。武豊がGOサインを送ると瞬時にギアチェンジ。いっぱいに追われ、抵抗する併走馬を軽々と3馬身突き放した。

 「凄くいい動き。状態はいいと聞いていたが、その通りだね」。抜群の感触に、武豊の表情にも自然と笑みが浮かぶ。前走・神戸新聞杯が初コンビ。ダービーで首差及ばなかったエイシンフラッシュを、直線で一騎打ちに持ち込んで首差でねじ伏せた。「乗り味の良さに驚いた。走り方がきれいで乗っていて気持ちいい。初めてなので手探りだったが、スローペースを内々で折り合ってラストもいい脚を使った。結果にも内容にも満足している」。頼もしいパートナーに最大限の賛辞を贈った。

 橋口師も「素晴らしい動き。気配も申し分ないし言うことはない」ときっぱり。前走はダービーからプラス22キロでの出走。「数字にはビックリしたが、見た目に太め感はなかったので実が入ったということ」と振り返る。春はレースのたびに減り続ける体重と闘いながらの調整。「調教していても体重のことが頭から離れなかったが、この秋は何も気にせずに攻めることができる。それが一番」とたくましさを増した愛馬に目を細める。

 皐月賞、ダービーともにあと一歩だっただけに、指揮官は「何とか最後の1冠だけは獲りたい。このレースに懸ける思いは、かなり強い」と力を込める。枠順は真ん中の10番に決まった。「コーナーで外を回らされることもないしレースしやすそう。あとはキャリア豊富な第一人者に任せるだけ」。最終バトンを受け取る武豊も「プレッシャーですが大きなチャンスをもらった。期待に応えたい」。落馬による骨折で春シーズンを棒に振った鞍上にとってもまた、春のうっぷんを晴らす舞台。バラ一族悲願のクラシック制覇へ機は熟した。

スポニチアネックス - 2010/10/22 7:04