2010年10月01日

【スプリンターズS】キンシャサやる気!加速十分12秒6

春秋スプリントG1制覇へ。「第44回スプリンターズS」の木曜追いが美浦トレセンで行われ、春の王者キンシャサノキセキが貫禄の動きを披露。前哨戦・セントウルSをせん痛で取り消した影響を感じさせない元気いっぱいな姿を見せた。地元・中山で強力香港勢を撃破し、昨年のローレルゲレイロに続いて2年連続のスプリント界統一を目指す。スプリンターズSの枠順は1日に確定する。

 これが王者の貫禄だ。開門直後の午前6時すぎ、小雨が降りしきる中、ポリトラックコースに現れたキンシャサノキセキ。単走でゆったりと始動するが、抜群の気合乗りですぐにでもはじけそうな手応えだ。残り3Fで15―15(1F15秒台)から徐々にペースアップ。直線でコースのど真ん中に陣取ったG1馬はさらに加速を見せるが、騎乗した橋本助手の手は動かない。馬なりのままラスト1F12秒6で駆け抜けた。

 引き揚げてきた橋本助手は感触を口にする。

 「時計は速くなったが、馬がだいぶやる気になっていた。馬のリズムを重視して最後まで馬なりで乗った。前走(セントウルS)をせん痛で取り消した影響は感じないし元気いっぱい。前走時に9割方できていたが、それを維持できている」

 昨年のこのレースは春の高松宮記念(10着)以来のぶっつけで12着に敗れた。「昨年は結果が出ていない中での休み明け。調教の強度と馬の気持ちがかみ合っていない中での出走だった。出来自体は良かったが、チグハグな競馬になってしまったからね」と振り返る。

 その後に重賞4連勝で今年の高松宮記念を制覇。秋初戦のセントウルSを取り消すアクシデントはあったものの「レースを使って良くなればベストだったが、59キロを背負って厳しい競馬で疲れが残る心配もあった。せん痛で取り消した後のフォローはうまくできたし調整はしやすかった」と仕上がりに不安はない。

 7歳になって充実期を迎えている。それでも橋本助手は「ピークは結果を見てから判断するもの。まだまだ強くなってほしい」とさらに上を目指している。今年は香港馬2頭をホームの中山コースで迎え撃つ。「相手は強いが、中山はいい成績(3勝をマーク)を残している舞台。地元で強い競馬をしてほしい」と力強く締めくくった。春のスプリント王が日本代表として意地を見せつける。

スポニチアネックス - 2010/10/1 7:02