2010年09月24日

【神戸新聞杯】フラッシュしびれる鋭脚

「神戸新聞杯・G2」(26日、阪神)
 クラシック最後の1冠に向けて有力馬が始動。23日、栗東CWではダービー馬エイシンフラッシュが、切れのあるフットワークで僚馬に先着。状態の良さを見せつけた。また、栗東坂路では2歳王者ローズキングダムが、鋭い動きで仕上がりの良さをアピール。目下3連勝中のビッグウィークも、パワフルな走りで2強に迫る勢いを見せている。
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 見るがいい。これがダービー馬の鋭脚だ。満を持して秋初戦に臨むエイシンフラッシュが、鮫島(レースは内田博)を背に栗東CWで衆目に応えた。
 オリオンスターズ(6歳1600万下)を前に置き、序盤はゆったりとしたフォームで追走。直線手前で内から並びかけ、ギアを瞬時に上げて抜き去った。僚馬を突き放してからもビシッと肩ムチが入り、力強いフットワークを維持したままフィニッシュ。6F82秒2‐37秒1‐11秒6と、数字が示す通りの切れ味を披露した。

 鮫島は「先週よりも力まず、軽くなっている。抜けてからもしっかりと反応していた」と手応えを感じ取る。それを聞いた藤原英師も納得の表情だ。「合格点。順調だね。ジョッキーが感じたことと一致しているから問題ない」。

 これまで追い切りを主に鮫島に任せてきたのは、馬のバイオリズムを的確に測るためでもある。ダービー後は放牧に出されてリフレッシュ。函館競馬場で調整されたのち栗東帰厩。予定通りのメニューを過不足なく消化し、陣営の思惑通りの上昇曲線を描いてきた。「春と比べて見た目は変わらないが中身が違う。精神面でも落ち着きが出てきた」と指揮官は着実な成長ぶりに目を細めた。

 持てる力を惜しみなく発揮して秋の大目標へ。トライアルとはいえ、簡単に取りこぼすわけにはいかない。「ダービー馬の名に恥じないように、しっかりと仕上げてきたつもり。秋の初戦としては勝ち負けよりも内容が重要」。同世代7611頭の頂点に立った脅威の末脚は、さらなる進化を遂げてライバルを退ける。

デイリースポーツ - 2010/9/24 9:17