2010年09月17日

ローズS、当該距離の上がり3Fパフォーマンスが優秀なワイルドラズベリーに期待

秋華賞トライアルの最終関門・ローズS。例年春のクラシック戦線を賑わせた実績馬と夏の上がり馬がぶつかり合う構図となるが、今年はめぼしい上がり馬は出走せず。秋華賞への出走可能賞金を満たしている馬が多いことからも「秋華賞への叩き台」としての色合いが濃いレースとなりそうだ。

早速だが、ローズSは「上がり3F1位」が絶対的な好走条件である。過去10年、ローズSにおいて上がり3F最速を記録した馬の成績は【4・5・1・1】複勝率90.9%。唯一馬券圏外となったのは中京2000mで施行されたときのもので、阪神開催時のローズSでは上がり最速をマークした馬が複勝圏内を外したことがないのだ。

そこで今回は近5走を比較材料として、最速上がりと上がり3F3位以内を使った回数を挙げてみたい。なお、「着順」については、最速上がり3Fを計時した際の着順とする。


(左から馬名、最速上がり3F、着順、上がり3F3位以内計時回数)

・アパパネ 33.6秒 1着 3回
・タガノエリザベート 33.5秒 1着 3回
・アニメイトバイオ 34.0秒 2着 2回
・オウケンサクラ 34.6秒 4着 2回
・ワイルドラズベリー 34.8秒 2着 2回


例年、マイネレーツェルやブロードストリートといった「切れモノ」が1頭は存在する牝馬クラシック戦線だが、今年は思いのほかそれに該当する馬が少なかった。だからこそ常に安定した末脚を繰り出すアパパネ(7戦中6戦で上がり3F4位以内)、末脚の破壊力では世代随一のタガノエリザベート(8戦中4戦で上がり3F最速)はローズSにおいては高い評価を下す必要があるだろう。ただ、急坂コースの上がり3Fに特筆すべきパフォーマンスが見られないタガノエリザベートは過信禁物だ。

上記2頭以外に挙げた3頭の中からは、ワイルドラズベリーを。前走白百合Sは1000m通過58.1秒の超ハイペース。その流れを中団から追走し、上がり2位の脚で差し切った。次位との上がり3Fの差は0.7秒もあり、終始後方を進んだディオメデスは別として当該距離での切れ味ではアパパネを上回る可能性を秘めている。

当欄ではアパパネに最大限の敬意を表しつつ、それよりも速い上がり3Fを使える可能性のある馬として当該距離の上がり3Fパフォーマンスが優秀なワイルドラズベリーを推奨馬としたい。

(馬場×上がり3F(データ室))