2010年09月10日

【セントウルS】グリーンバーディー早くも戦闘モードだ

気合十分だ。阪神・セントウルSに臨む香港馬グリーンバーディーは、阪神競馬場ダートコースで軽めの調整。長距離輸送の影響を感じさせなかった。スプリント路線に強豪がそろう香港勢の地力を示すか。

 早くも戦闘モードだ。阪神競馬場のダートコースに入ったグリーンバーディーからは長距離輸送の疲れどころか“気迫”が伝わってきた。午前8時前に馬場入り。8日に白井から約9時間かけて阪神へ移動したばかりで調教内容はダクで1周程度。それでも力強い脚さばきで、手綱を取るビュッセイ助手をてこずらせるほど元気いっぱいだ。

 「白井ではリラックスしていた。今は少し興奮気味だけど、香港にいる時はいつもこんな感じ。本来の姿に戻ったと思ってもらっていい」

 アウェーでも平常心を保っているという。日本より緯度が低い香港の馬だけに暑さにも慣れっこだ。ただ、地元では厩舎が競馬場に近接し、長距離輸送の経験はなかった。「馬運車が快適で輸送中もカイバをよく食べ、水を飲んでいた。もちろん香港で長い陸送の経験はないけど、シンガポールへの空輸で結果を出している。全然心配ない」

 ならば、迎え撃つ日本勢にはかなりの脅威となる。暮れの香港国際競走で日本馬が唯一勝っていないのがスプリントだ。香港勢の、この路線は世界屈指のレベルで層も厚い。07、09年香港スプリント覇者セイクリッドキングダムの存在が大きく、グリーンバーディーは地元でビッグタイトルに手が届いていない。それでも同レースで08年2着、09年4着と鋭い末脚を武器に上位に食い込んだ。今年は5月にシンガポールでクリスフライヤー国際スプリント(国際G1)を制し、弾みをつけた。それ以来の出走になるが、地元で模擬レースをこなし態勢を整えての参戦だ。

 「きれいなフォームで走る。まじめな性格でレースになれば一生懸命に力を出してくれる。本当にタフ」

 昨年春、両前脚に蹄葉炎を発症した。現役続行を望むオーナーの後押し、自身の強いハートで復帰を果たした。軌道に乗った今ならスプリンターズSで2つ目のタイトル奪取も可能。まずはトライアルで、お手並み拝見だ。

スポニチアネックス - 2010/9/10 7:02