2010年09月01日

【小倉2歳S】開催最終週の馬場にフィットする、モアグレイスのレース内容

★ポイント1「新種牡馬」
→アストンマーチャン、ジュエルオブナイル、コスモヴァレンチなど、新種牡馬産駒の活躍が目立つ小倉2歳S。今年はディープインパクト、ハーツクライなど近年稀に見る新種牡馬の当たり年と言われており、新種牡馬の産駒には注目しておきたい。
(アストンマーチャン、ジュエルオブナイルetc)

★ポイント2「フェニックス賞勝ち馬は不振傾向」
→メイショウボーラー、デグラーティアとフェニックス賞勝ち→小倉2歳S勝ちというパターンもあるにはあるが、このローテーションで臨んだ6頭中4頭が馬券圏外に敗れているという事実も見逃せない。馬券圏外に敗れた4頭中3頭に共通点するのは、ひと桁番を引いたということ。最終週に行われる重賞だけに、内枠を引くのは危険なサインだ。
(シルバーストーン、エイシンヴァイデンetc)

★ポイント3「未勝利戦勝ち上がり」
→過去10年、前走未勝利戦を勝ち上がった馬の成績は【5・2・3・28】複勝率26.3%。新馬戦を勝ち上がった馬の成績が【1・6・1・44】複勝率15.4%なので、その差は歴然だ。アストンマーチャン、タムロチェリーといったのちのGI馬も未勝利戦を勝ち上がっての参戦だったということもあり、この傾向は見逃せない。
(アストンマーチャン、タムロチェリーetc)


メイショウボーラー、アストンマーチャン、コスモサンビームなど、過去の連対馬にはのちのGI馬がズラリ。ローカルの1200m戦ということでレベルが疑問視されることもあるが、そのレースレベルの高さは過去の連対馬が実証済みだ。

レベルの高さを後押しする要因となっているのが、新種牡馬の存在。2歳戦で新種牡馬が活躍すること自体珍しいことではないが、新種牡馬が初重賞制覇を成し遂げる舞台が小倉2歳Sというパターンが非常に多い。今年は新馬→フェニックス賞と連勝中のオンファイア産駒・シゲルキョクチョウが出走を予定しており、新種牡馬産駒の重賞制覇一番乗りが期待される。

ただ、そのシゲルキョクチョウについて回るのが「フェニックス賞勝ち馬が不振」という小倉2歳Sの傾向。過去10年でフェニックス賞勝ち馬は6頭出走しているが、勝ったのはメイショウボーラー、デグラーティアのみ。このローテーションで出走する馬はすべて3番人気以内の支持を集めていただけに、無敗馬であっても決して楽観視はできない。

それなら過去10年で【5・2・3・28】複勝率26.3%と好成績を残している未勝利戦を勝ち上がった馬を評価する手もあるか。なかでも注目したいのは新馬戦と未勝利戦で異なる競馬をした馬。開催最終週に行われるだけあってスピードに任せた逃げ切り勝ちというのは難しく、好位差しの競馬で勝った馬に対して高い評価を与えたい。


【データで見るオススメ馬】

★シゲルキョクチョウ
→小倉2歳Sに出走する馬のなかで数少ない新種牡馬・オンファイアを父に持つ同馬。前走フェニックス賞勝ちというのは何とも言えないところではあるが、そのレースぶりは完璧と言えるものだった。圧倒的なスピードで逃げ切ったメイショウボーラー級の馬である可能性も考えられることから、ここでも軽視はできない。

★モアグレイス
→未勝利を勝ち上がって小倉2歳Sで馬券圏内に入った12頭中、10頭が「上がり3F1位」で勝ち上がっていた。同馬はそれに該当する1頭であり、消耗戦になりやすいこのレースにおいて1400m&急坂の経験があるのもプラス。5着に敗れた新馬戦は同馬を含めてのちに5頭が勝ち上がっているハイレベルレースでもあり、侮れない。

【ローテーションで見るオススメ馬】

★カノヤキャプテン
→過去10年、未勝利戦を勝ち上がって中2週で出走してきた馬の成績は【2・0・1・7】複勝率30.0%とまずまずの数字。馬券圏内に入った3頭には「4角2番手以内から上がり3F1位で勝利」という共通点があり、同馬もその条件を満たしている。控えて競馬ができるという点も、開催最終週の馬場状態を考えれば大きな武器となるだろう。

【血統で見るオススメ馬】

★スギノエンデバー
→サクラバクシンオー産駒は過去10年、小倉2歳Sで【1・2・1・6】複勝率40.0%。昨年は産駒が2頭出走して2,3着に入っているように小倉2歳Sへの適性は高い。また、同馬に関してはサクラバクシンオー産駒にありがちなスピードに任せた勝ち方ではなく、控えて勝ったことも評価したい。

★テイエムターゲット
→フジキセキ産駒は過去10年で3頭しか出走していないが、それぞれ2,4,1着とすべて人気を上回る結果を残している。同馬は前半3F通過32.4秒という超ハイペースを逃げ切ったようにスピード能力は相当なものがあり、行き切ってしまえば粘り込みのシーンがあっても不思議ではない。
(田原基成)