2012年03月15日

【スプリングS】アルフ 4馬身置き去り12秒5

東西で3歳、古馬の真打ちが登場だ。皐月賞トライアル「スプリングS」(3着まで優先出走権)の追い切りが14日、美浦、栗東両トレセンで行われた。今季初戦を迎える昨年の2歳王者アルフレードは、デビュー戦以来のコンビとなる松岡を背に力強く4馬身先着。さすがの迫力を見せつけた。

 これが2歳チャンプの切れ味だ。Wコースで松岡を背にエチゴイチエ(4歳1600万)と併走でスタートしたアルフレード。僚馬に誘導され、気持ち良くラップを刻みながら直線を向いた。残り200メートルで松岡が手綱をしごいたのがゴーサイン。馬も俊敏に反応し、左ステッキが入ると、さらに四肢に力がこもった。あっという間に4馬身突き放してゴールへ。6F80秒4、1F12秒5。スピードとパワーを兼ね備えた王者の走りを見せつけた。

 「エチゴイチエも走るんだけどねえ…。もうあの馬くらいしかウチの厩舎には相手にできる馬がいないんだ」。手塚師のコメントは、うれしい悲鳴からスタートした。「これまで調教が軽かったので、今回はやりたかった。坂では負荷が足りないのでWコース。十分な動きだね。やるたびに良くなる」。存分にいじめ抜き、指揮官は納得の笑みを浮かべた。牝馬戦線では桜花賞馬候補のアイムユアーズを抱える同厩舎。やる時にはやる、メリハリの利いた調整には定評がある。

 松岡の表情もいい。「5F68秒の指示(実際は65秒6)なので少し速かったが、気持ちが乗っているし、息の感じもいい。心臓はだいぶできた。硬さも取れてきた」と心身とも臨戦態勢にあることをアピールした。「G1に向け、特に試しておきたいこともない。センスがいいから、どんなコースも大丈夫。荒れた馬場も気にならない。負けたら僕のせいと思ってくれていい」。全ての責任を背負って勝ちにいく心意気を示した。

 ただ、指揮官、主戦とも「ピークはG1本番」という考えでは共通している。「ここを使った後の伸びしろを相当に見込んでいる」と手塚師。松岡は「目標は先なので100%の仕上げではない。皐月賞にうまく照準を合わせられればいい。それでも…いい勝負をしてくれるはず。本番も大事だが無敗継続も大事なんだ」。お釣りを残した状態で勝ち、皐月賞へ堂々と王手。これが陣営の描くクラシックへのシナリオだ。

(スポニチアネックス)