2012年01月09日

フェアリーS出走馬分析〜穴で妙味は前走からの距離短縮組

■個々の馬分析
・ダイワミストレス
ダートで圧勝しており、馬場が荒れて通常よりパワーが要求されている今の中山芝は向いている。ただし、今回の不安は1200mから1600mへの一気の距離延長。1200mでも差し決着となった前走よりも相対的にペースが落ちることで、脚を溜められない危険性がある。

・アイスフォーリス
しぶといタイプで、勝ち上がりに時間を要した反面、強い相手に食い下がれるのが長所。フェアリーSは、1600mになって以降、前走で1800m以上を使っている組が3年連続で馬券に絡んでおり、その中には10番人気のグッデーコパ、11番人気のコスモネモシンと人気薄が複数含まれている。その意味では、前走で2000mを使い、かつ今の中山で要求されるパワーを補完するという意味で、母父にダート馬を多く輩出するクロフネをもっている同馬は穴として面白い。

・トーセンベニザクラ
1200mから1800mまでの距離経験、逃げ、追い込みなど複数の脚質の経験など、経験値という点ではメンバー中最上位。使い続けられているため、あとは疲労が出なければ。

・パストフォリア
前走500万下敗退のわりに2番人気と、やや過剰人気の感あり。ただし、シンボリクリスエス産駒は、アルフレードが朝日杯2歳Sを勝つなど中山マイルへの適性が高く、さらにダート馬を多く出す血統でもあるので、条件自体はメンバー中最上位ともいえる。

・ラシンティランテ
阪神JFは前に壁が作れずにひっかかって惨敗。ただし、阪神JFでも上位評価を受けたように、しっかりした競馬ができたときの能力は遜色なく、6番人気まで人気を落としたここは面白い。なお、母父にダート色濃いエンドスウィープをもっている血統背景は、今の中山芝には向くと考えられる。

・オメガハートランド
新潟、東京と、全て広いコースを3戦して2勝。牡馬相手の2勝は評価できるものの、小回りで急坂のある中山への適性は未知なだけに、1番人気の今回はそれほど妙味はない。



■展望
本来「バレていても内枠から」が中山マイルでは有効。ただし、2011年12月から続く開催は必ずしもそれに当てはまっておらず、6枠や8枠などむしろ外枠の穴馬が激走するケースが目立った。例えば朝日杯FSも、必要以上に人気を落としたレオアクティブが穴で3着に突っ込んだ。1月8日(日)の中山芝で、連対馬8頭中3枠以内が1頭しかいなかったことからも、あまり内枠に固執せず予想にあたりたい。

また、血統的には、ここ2日ほどパワーに優れる米国由来の血をもつ馬が穴を出す傾向にある。例えば、中山金杯においては、勝ち馬のフェデラリストの父はダート馬を多く出すエンパイアメーカー産駒で、3着馬、4着馬は米国産馬だった。

メンバー中で妙味があるのは、阪神JFで人気を裏切ったラシンティランテ。G1で3番人気に推されながら、惨敗が嫌われてメンバー弱化のここで6番人気と急落。2走前のようにまともに走ればここでも能力的に見劣りしない。

相手は適性面で上位のパストフォリア、前走からの距離短縮組のアイスフォーリスあたり。個々の馬分析には記載していないものの、前走からの距離短縮組で、クロフネ産駒のメイブリーズも面白い存在といえる。(sper)

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