2010年08月11日

【田原基成】クイーンS〜データ分析

・ポイント1「圧倒的内枠有利」
→毎日王冠、京成杯AHなど開幕週に行われる重賞は内枠有利。クイーンSも例外ではなく、過去10年で3枠より内を引いた馬が7勝。脚質にかかわらず、内枠の馬には警戒が必要だ。
(ピエナビーナス、アサヒライジングetc)

・ポイント2「休むが勝ち」
→エリザベス女王杯を狙う古馬牝馬、秋華賞を狙う3歳牝馬がそのステップとして出走することが多いクイーンS。過去10年、休み明けで臨んだ馬は5勝を挙げており、近3年はすべて休み明けの馬が勝利を収めている。
(ヤマニンメルベイユ、オースミハルカetc)

・ポイント3「逃げるが勝ち」
→過去10年で逃げた馬はなんと6勝。これに付随して差し・追込馬の成績は散々たるものとなっており、たとえGI馬であっても後方一気タイプの馬の評価は下げたいところだ。
(ヤマカツスズラン、トゥザヴィクトリーetc)


過去にはファインモーション、テイエムオーシャン、ダンスインザムードといったGI馬が出走したクイーンS。秋のGI戦線に向けて重要なステップとなる重賞だけに、ときにはGIに匹敵するような豪華メンバーが揃うことも。また、エリザベス女王杯のデモンストレーションとして古馬対3歳牝馬の対決がひと足早く見られることも、このレースの特徴と言えよう。

前述のように、クイーンSは内枠の馬を買っているだけで何とかなってしまうレースだが、現時点でそれを見極めることは不可能。よってここでは「休み明け」「洋芝巧者」「逃げ・先行脚質」の3点に絞って軸馬候補を選定していきたい。

まず、「休み明け」「逃げ・先行脚質」で浮上するのがプロヴィナージュ。前走のヴィクトリアマイルこそ9着に敗れたものの、勝ったブエナビスタとは0.2秒差。東京マイルで不利な大外枠からの発走ということを踏まえると悲観する内容ではない。過去に半年の休み明けでの勝利があるように、休み明けで臨むローテーションも問題ないだろう。

「洋芝巧者」という点では昨年の覇者・ピエナビーナスを評価しないわけにはいかない。函館での2戦こそ凡走に終わったが、重賞勝ちのある牡馬相手に差のない競馬をしていた。得意な内枠さえ引くことができれば、チグハグな競馬に終始した前走からの巻き返しは十分に可能だ。

ちなみにクイーンSは、サンデー系にとって非常に相性の良いレース。昨年は1〜3着まですべてサンデー系で、一昨年は母父サンデーのワンツー。中でもフジキセキ産駒は過去10年で【2・1・0・4】と複勝率42.9%。同産駒が出走してきた際には、それだけで評価を挙げておきたいところだ。


【データで見るオススメ馬】

★ヒカルアマランサス
→京都牝馬Sの印象から差し・追込馬の印象が強いが、ヴィクトリアマイルで4番手から競馬をしているように脚質は自在。ただ、ヴィクトリアマイル、マーメイドSのレースからわかるように典型的な内枠ホースなので、何とか内枠を引き当てたいところだ。

★ブラボーデイジー
→確たる逃げ馬不在の中で、おそらくこの馬が逃げるだろう。昨秋から一度も休みなく使われている点が気がかりだが、洋芝での勝利実績もある。4コーナーを先頭で通過したときの成績は【4・2・0・1】。勝つためには何が何でもハナを切りたい。

★プロヴィナージュ
→前走のヴィクトリアマイルこそ9着に敗れたが、勝ったブエナビスタとは0.2秒差。東京1600mで不利な大外枠からの発走ということを踏まえれば悲観する内容ではない。半年の休み明けで勝った実績もあり、休み明けも問題ない。

【ローテーションで見るオススメ馬】

★ウェディングフジコ
→同馬がダート→芝替りで臨んだ際の成績は【1・2・0・2】で、敗れた2走も4着と大きく崩れていない。このローテーションでマイルCS2着のマイネルファルケ、ヴィクトリアマイル3着のニシノブルームーンと0.1秒差の競馬をしていることから、よほどダート→芝替りが合っているのだろう。人気の盲点になりそうなここは要注意だ。

【血統で見るオススメ馬】

★ピエナビーナス
→父にフジキセキを持つ昨年の覇者。その洋芝適性は出走馬中でも群を抜いている。洋芝が初めてとなるメンバーが多いここでは、洋芝経験値にモノを言わせてアッサリというシーンがあっても不思議ではない。

(田原基成)