2010年08月10日

【クイーンS】アプリコットフィズ&武豊がついに実現

札幌開幕週に復活なった武豊が見参!牝馬限定重賞「第58回クイーンS」でコンビを組むのがアプリコットフィズ。落馬負傷のため、今春のクラシックでの騎乗はかなわなかったが、反撃の秋へ向け待望のコンビ結成。名手がいまだ眠るこの馬の能力をどんな形で引き出すか、その手綱さばきにも注目が集まる。

 アプリコットフィズは今春のクラシックで、関東勢の筆頭格に挙がっていた逸材だ。結果は桜花賞5着、オークス6着と不完全燃焼の内容だったが、秋華賞での反撃へ向けて放牧先の社台ファームでリフレッシュを図った。今週のクイーンSへの参戦選択は早い始動とも思えるが、その理由について小島太師は明快に語った。

 「放牧に出してからの回復が早かったからね。牧場でびっしりハードに乗り込んでいるし、体は仕上がり過ぎているぐらいだよ」

 社台ファームでは、メーントラックである全長1000メートルを誇る坂路で連日乗り込まれてきた。トレーナーは「ハンパじゃない施設だからね。美浦で鍛えるよりもきついぐらいだよ」と仕上がり具合には自信を漂わせた。調整の進んだ状態で今月4日に札幌競馬場へ入厩。「競馬場へ入るとスイッチが入るので」との理由から、在厩10日の最短期間で出走させることにした。ここまではすべて計算ずくだ。

 そして鞍上には武豊を迎える。もともとは今春の桜花賞とオークスでも騎乗の予定だった。それが落馬負傷による休養が長引き、乗り代わりせざるを得なくなったのだ。まさに待望のコンビ結成。その武豊は復帰2週目の先週土曜、小倉で133日ぶりの勝利を挙げた。「これからリーディングの順位を上げていきたい」との“復活宣言”に加えて、今週の騎乗へも意欲をみなぎらせた。

 「春に(小島太師から)頼むぞ、と言われていたからね。僕も楽しみにしていた馬。またこうして声を掛けてもらったので、期待に応えたいですね」

 天才ジョッキーと素質の開花が待たれる若駒がどんな化学反応を見せるのか。この馬にとって秋のG1戦線を占う大きな一戦だ。
スポニチアネックス - 2010/8/10 7:03