2010年07月13日

カノヤザクラ、3連覇へ“おてんば”卒業…18日・アイビスSD

 夏の新潟開催、開幕週のメーンは、直線でスピードを競うアイビスサマーダッシュ・G3(18日、芝1000メートル)。注目は3連覇がかかるカノヤザクラ(牝6歳)と、バーデンバーデンCで復活したウエスタンビーナス(牝7歳)の“熟女”2頭だ。

 夏が彼女を呼んでいる。10着と敗れたCBC賞の後、カノヤザクラに“変化”が起きていた。「今までは坂路入りするのを嫌がっていたのが、この中間はすごくスムーズなんだ」と橋口調教師。今までは入り口付近で立ち止まったり、右端から左端まで大きく斜行したりと“おてんば”だった6歳馬が一転、優等生になった。1週前追い切りも53秒2―12秒9と尻上がりの理想的なラップ。好きな季節が到来した喜びを全身で表現しているのかもしれない。

 大目標へ臨戦過程は万全だ。文句のつけようのない完勝だった過去2年と同じように、CBC賞からの参戦。牝馬ながら500キロを超える大型馬だけに、叩いた上積みは測りしれない。「大型馬だからコーナリングがうまくない。だから、スピードが生きる“直千”への適性が高いんだろうね」。過去2年はこのレースでの勝利が大きく、夏のスプリント女王の座を手に入れた。今年も昨年と同じように、ここから北九州記念、セントウルSへ転戦予定だ。

 過去2年は小倉競馬場でモニター観戦。愛馬の表彰式にトレーナーの姿はなかった。今年も小倉から見届ける予定だという。「大きな馬で、(馬の)引き手が二人いるからだよ」と説明しながら、「ゲン担ぎ? 結果も出ているからね」とニヤリ。3年連続の偉業へ死角なし。季節外れの“サクラ”が咲き乱れる瞬間がもうすぐやって来る。
スポーツ報知 - 2010/7/13 8:00