2013年11月28日
【JCダート】8歳馬エスポワールシチー12秒2“悔いのない状態”
まだまだ若いモンには負けられない。「JCダート」の最終追いでは、4年ぶり2度目の同レース制覇を目指す8歳馬エスポワールシチーが軽快な動きで健在をアピール。ラストランで史上最多となるG1・10勝目を狙う。 【JCダート】
エスポワールシチーは開門直後、後藤を背に坂路へ。気持ちは走る方に向かっていても力の入れどころをしっかり心得ている。最初の1Fを15秒4でゆったり入ると、そこからスムーズに加速。栗毛の馬体をバネのようにしならせ、流れるようなフットワークでゴールを目指す。スタートからゴールまで鞍上は手綱を持ったまま、アクションを起こすシーンは一切なかった。馬なりでトップスピードに乗ってラスト2Fは12秒1、12秒2で鋭く伸びて4F53秒2でフィニッシュ。先週に続いて稽古をつけた後藤はパートナーの動きを絶賛した。
「先週の時点で素晴らしい状態なのは分かったし、けさはその確認作業。この馬自身、馬場が空くのを待ち切れない感じで、やる気になっていて僕が指示を出す必要がなかった。思っていた通りの調教ができました」
この日はエスポワールシチーの主戦を務め、現在は落馬負傷で休養中の佐藤が栗東を訪れた。追い切り後に厩舎でじっくり話し込んだという。
「これまではレースでああしよう、こうしようという話をしていたけど、きょうはデビューしてからのエスポの話とか、4年前にJCダートを勝ったときの話とか、哲三さん(佐藤)の思いを聞かせてもらった。そうすることでレースの形が見えてきた」
今季の始動戦・南部杯はコンビを組んだ経験がある松岡が東京で騎乗するため、一時は鞍上が空白に。そこで安達師が後藤とのコンビ結成をオーナーサイドに打診した。「この馬と後藤君は合うんじゃないかなと思ったんです」とトレーナー。そのイメージ通りに結果を出してラストランとなるこの一戦を迎えた。
安達師は「(ケガから復帰したばかりの)後藤君とのコンビで勝ったり、何かドラマを見ているような感じがする」と今季2戦を振り返る。もちろん、そのドラマにはまだ続きがある。安達師は「悔いのない状態で出せる」と力をこめ、後藤もまた「有終の美へ、僕が最高のサポーターになれたら」と熱く意気込みを伝えた。ダート路線を盛り上げ、9つのG1タイトルを積み重ねた8歳馬が現役生活の締めくくりで劇的ドラマの主役になる。
(スポニチアネックス)