2010年11月25日
【JC】ジョシュア“日本制圧”へ軽快12秒0
さすがは綿密なプログラミング。オブライエン師の姿は東京競馬場にはなくても、ジョシュアツリーの最終追いは針に糸を通すような細やかさだった。まずは本木剛介厩務員を背にモアズウェルズと一緒にダートコースへ。キャンターで半周すると一度は地下道に消えた。すると、今度は来日したばかりの主戦オドノヒューにスイッチし、ウイナーズサークルの前から芝コースへ。向正面の7F標識から軽快にピッチを上げ、ゴール前で手綱を動かすと、首をグイッと下げて加速。1F12秒0で力強い反応だ。
オドノヒューは「とても満足。気持ち良く走っていたよ。力強くフレッシュな状態。東京の芝もフィットしていた。ウッドバイン競馬場(カナディアン国際S1着)とよく似ている」と笑顔がはじけた。
コマフォード助手も目を輝かせた。実は前走は思わぬアクシデントを乗り越えていた。
「オブライエン師は日曜のレースの時は水曜追いが普通。それが前走は火曜に脚元に原因不明の青あざが見つかって…。前日だけ追って、あの強さだったんだ。前走を95%とすれば今回は100%だ」
日本とオブライエン師が待つ本国アイルランドとの時差は9時間。その間も欠かさずに連絡を取り合ってきた。この日調教が終了した午前9時は本国では午前零時だったが、当然のように携帯電話を押した。
「途中で騎乗者をスイッチしたのも、芝の7F地点から追うのもすべて調教師の指示通り。(調教場所など)5カ所ほど拠点があって調教師は来日できないけど、夜中でも連絡を取り合っているから大丈夫なんだ」
前走後はブリーダーズCに目も向けず、ジャパンC参戦を即断。「今年は3戦しか使ってないし、ピークといえる出来。日本の競馬を把握している先生が適性を見込んで来たのだから」と同助手。青写真通りのメニューをこなし態勢も万全。世界を席巻する名トレーナーが果たしていない“日本制圧”の瞬間が迫っている。
スポニチアネックス - 2010/11/25 7:03