2010年10月21日

【菊花賞】音速の11秒6!メロディ最高潮

この勢いは本物だ。この夏最大の上がり馬トウカイメロディが大仕事を予感させるド迫力の動きを見せた。主戦・吉田隼が騎乗してポリトラックで単走。前半は力むことなくゆったりと進み、直線で鞍上が仕掛けると一気にギアチェンジ。440キロ台の小柄な体をいっぱいに伸ばしたダイナミックなフォームで、1F11秒6と強烈に伸び切った。

 「先週までに乗り込んでいるので、1頭で馬の行くなりに脚を伸ばしただけ。乗った感じではそんなに出ていないと思ったけど、この時計。状態がいいんでしょう」。予想以上の感触に吉田隼の声が弾む。2週前(6日)と1週前(14日)にコースと坂路の変則2本追いというハード調教を敢行しながら、まだまだ活力があり余っている。後藤師も「元気があるし、まじめだし、余計なことは何もしない。集中した、実にいい動きだった」と動きを大絶賛した。

 春は青葉賞で6着に終わり、ダービーは200万円の追加登録料を払ったものの抽選除外。その後、すぐに夏の北海道シリーズ参戦を決めた。「北海道で使うと決めた時にこういう形で秋を迎えたいと思った」と後藤師。北海道でつきっきりで稽古をつけ、3連勝と結果も残してきた吉田隼は「折り合いが上手で動きたい時に動けるので(3000メートルも)僕は自信がある。ダービー1、2着馬は凄い武器を持っているけど、こっちもスタミナでは負けていない。それを生かす競馬をしたい」と力を込める。

 吉田隼にとっては、フォゲッタブルで鼻差2着に惜敗した昨年のリベンジも懸かる。「忘れ物を取りに行くつもりで頑張りたい」。21日に決戦舞台の京都競馬場へ移動し、万全の準備をして大一番へ。クラシック最後の1冠奪取に向け、陣営のムードは最高潮だ。

スポニチアネックス - 2010/10/21 7:03