2010年10月06日

【京都大賞典】理想的なローテーションで臨むプロヴィナージュ

★ポイント1「上がり3F1位」
→過去10年、上がり3F1位を計時した馬の成績は【6・3・2・2】複勝率84.6%。馬券圏外に敗れた2頭も4着に来ており、上がり3Fの数字は好走のための必須条件と言えるだろう。上がり3Fに強調材料のない馬はここでは軽視したいところだ。
(インティライミ、スイープトウショウetc)

★ポイント2「前走宝塚記念組」
→過去10年、前走宝塚記念組の成績は【4・4・0・8】連対率50%。ただ、連対馬はすべて宝塚記念で掲示板以内に入っており、掲示板外に敗れた馬の成績は【0・0・0・8】。やはりGIでそれなりにやれる馬でないと厳しいだろう。
(リンカーン、タップダンスシチーetc)

★ポイント3「サンデー系orトニービン系」
→京都大賞典はスローの上がり勝負がほとんど。そういった流れに強いのは瞬発力に秀でるサンデー系と外回りコースで長く良い脚を使えるトニービン系で、毎年のように同系統の血を持つ馬が馬券圏内に絡んでいる。人気薄であっても同系統の産駒には注意が必要だ。
(トーホウアラン、リンカーンetc)


ここ数年の京都大賞典の傾向を見てみると、2005年を境に出走馬の質に明らかな変化が生じていることが分かる。それ以前はタップダンスシチーやゼンノロブロイ、ナリタトップロードなど天皇賞・秋を狙う馬が秋初戦始動の場として京都大賞典を選んでいたが、「秋初戦が天皇賞・秋」というローテーションでシンボリクリスエス、メイショウサムソンが天皇賞・秋を制していることも影響してか京都大賞典を使わずに天皇賞・秋からというケースが増え、天皇賞・春で勝ち負けしていたステイヤーの出走機会が減少しているのだ。今年でいえばジャガーメイルがそれに当たる。

そして、それに伴って以前は「銀行レース」とも言われていた京都大賞典が除々に「荒れるレース」としての位置づけになってきている。2005年以降毎年6番人気以下の馬が馬券に絡み、1番人気馬の連対がわずか2回しかないという結果がそれを表しており、一昨年は11万馬券という決着だった。その傾向を踏まえると、今年も一筋縄ではいきそうにない。

現段階で出走を予定している馬で注目を集めそうなのがオウケンブルースリ。昨年このレースを制しており、ジャパンカップはウオッカとハナ差の2着。実績は断然だが・・・やはりジャパンカップ以来11ヶ月ぶりのレースというのは気がかり。また、昨年の京都大賞典はテイエムプリキュアとクィーンスプマンテが飛ばしたことで1000m通過59.1秒という京都大賞典としては珍しいハイペース。道中後ろから2番手に控えた同馬はハマった感があり、スローの上がり勝負への不安も残る。それは昨年最後方を進んで2着に突っ込んできたスマートギアにも言えることだ。

しかし、出走予定馬にオウケンブルースリを上回るだけの速い上がりを持つ「スローの差し馬」が見当たらないのもまた事実。京都外回りコースの適性ならメイショウベルーガやベストメンバー、スマートギアということになるが・・・どちらも軸としての決め手に欠けるだけに、今年も難解なレースになりそうだ。

【データで見るオススメ馬】

★スマートギア
→常に上がり3F上位を叩き出すものの成績が伴ってこない同馬だが、京都外回りは昨年の京都大賞典2着、京都金杯2着をはじめ確実に馬券圏内に入っている。スローの上がり勝負となった今年の金鯱賞でも3着に食い込んでいるように緩・急どちらにも対応できる末脚は魅力で、京都外回りでは評価を上げておきたい1頭だ。

★メイショウベルーガ
→京都外回りコースを走った7戦中5戦で上がり3F3位以内をマークしており、今年の日経新春杯を勝っているように京都外回りは大得意。前走新潟記念ではスマートギアを0.2秒上回る上がり3F33.0秒を叩き出し、ますます切れ味に磨きがかかっているといった印象だ。

【ローテーションで見るオススメ馬】

★プロヴィナージュ
→過去10年、前走朝日チャレンジカップを連対して臨んだ馬の成績は【2・0・1・2】複勝率60%。同馬はここが叩き3戦目となるが、叩き3戦目で臨んだ馬の成績は【0・1・3・4】複勝率50%。ローテーションに不安を抱える有力馬が多い中で、好走率の高いローテーションで臨むことができるアドバンテージは魅力だ。

【血統で見るオススメ馬】

★フォゲッタブル
→過去10年、ダンスインザダー産駒の成績は【1・2・1・7】複勝率36.4%。菊花賞2着のファストタテヤマが2着2回と好走しているように菊花賞との相関性が高く、フォゲッタブルも菊花賞2着の実績がある。京都大賞典と相性の良いサンデー系・トニービン系の血を持っているということもあり、血統的にはもっとも向く条件だ。

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