2010年09月09日

【京成杯AH】バレー闘志満点

「京成杯AH・G3」(12日、中山)

 そろそろ何とかしたい。前走の関屋記念で3度目の重賞銀メダルとなったセイクリッドバレーが、今度こその構えだ。8日、美浦坂路の最終追いでは闘志満々の走りを披露して好調キープをアピール。陣営も悲願のタイトル奪取に自信を見せている。一方、新潟で好時計Vを決めてオープン入りしたファイアーフロートは、美浦Pでハードな追い切りを消化。開幕週の馬場を味方に逃げ切りVを狙う。
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 美浦坂路を単走で駆け上がる姿にはやる気がみなぎっていた。スタート2Fのラップは14秒7‐12秒9。セイクリッドバレーは、鞍上を引っ張るかのようにグイグイとペースを上げていく。ラスト1Fからは左ムチが2発飛び、上がりは12秒1‐12秒1。最後までスピードは衰えることがなく、一気に駆け抜けた。
 全体時計は4F51秒8‐37秒1‐12秒1。先週にチップの入れ替えが行われ、時計がかかる傾向にある坂路では優秀といえる。

「やっぱりオープン馬だな。普通の馬なら3Fは39秒台の馬場状態。それでいて最後も12秒1でまとめるんだから」。見守った高橋裕師も満足げにうなずいた。

 前走の関屋記念は32秒1の鬼脚で追い上げたが、レッツゴーキリシマに逃げ切りを許した。これが重賞で3度目の2着。今年の重賞5戦すべてで掲示板を確保しているように、もう機は熟している。中1週での新潟記念参戦をやめて、中山まで待機したのも万全を期するためだ。

 「ホント、もう何とかしたいよ。このままでは賞金的にG1も自由に使えない」。そう嘆くトレーナーは、この中間にしっかりとカイバを食い込ませて、馬体の充実を図ったことも明かす。「暑いときにはしっかりと食べさせなきゃ。もしかしたら、体重は2ケタ増かもしれないが、調教をしっかりやってのものだから、それでいい」と胸を張る。

 馬場保全委員を務める師は、火曜に中山馬場も視察。「雨が少なかったから心配したけど、いい馬場だった。しまいの切れを生かせるよ」と自信を深めた。2週連続重賞Vを狙う松岡も「前走で(重賞初Vへの)感触はつかんだ。もっといいレースができる」と手応えを口にする。秋の飛躍のためにも、何としても悲願を達成したい。

デイリースポーツ - 2010/9/9 9:18