2010年09月08日

【セントウルS】大不振の北九州記念組の取捨は?

★ポイント1「北九州記念組が不振」
→サマースプリントシリーズ創設に伴い、距離体系が変更された北九州記念組は【1・1・1・22】と大不振。極めつけは、北九州記念3着内馬が【0・0・0・7】と1頭も馬券圏内に入れていないことだ。シリーズ最終戦ということもあり、意図せぬローテーションでの駆け込み出走的色合いが強いことが不振傾向につながっているのだろう。
(サンダルフォン、キョウワロアリングetc)

★ポイント2「逃げ馬」
→開幕週に施行されるセントウルS。馬場状態が良いだけあって当然前に行った馬、特に逃げ馬の好走が目立つ。過去10年、逃げ馬の成績は【2・1・2・5】複勝率50.0%。今年は有力馬に差し脚質が多いこともあり、逃げ馬の存在には警戒が必要だ。
(テネシーガール、サンアディユetc)

★ポイント3「叩き3戦目」
→スプリンターズSを目標にした馬はここが始動戦に、サマースプリントシリーズをフルに戦ってきた馬はここが最終戦となるセントウルS。どちらも体調面に不安があることは否めず、その間をとった叩き3戦目の馬が【3・0・1・9】複勝率30.8%、単勝回収率376%と優秀な成績を残している。
(アルティマトゥーレ、カノヤザクラetc)


スプリンターズSを目指す有力馬がそのステップとして出走するセントウルS。毎年豪華なメンバーが集まるが、歴代の勝ち馬を見てみると、そこにブラックホーク、デュランダル、ローレルゲレイロといったGI2勝以上を挙げている名馬の名前がないことに気が付く。こういった有力馬は本番を見据えた余裕残しの仕上げをすることが多く、なかなか勝ち切れないというのが特徴だ。

今年の出走馬でそれに該当するのは4連勝でGIを制したキンシャサノキセキだろう。セントウルSは2007年に出走して3着という実績を持つが、当時とは戦績・騎手・ローテーションとすべての状況が異なる。59kgという斤量もはじめて背負うものだけに、決して楽観視はできない。

それなら夏競馬を使われていた馬か、と言われればそれも微妙なところ。というのも、セントウルSでは前走北九州記念組が不振傾向にあるからだ。なかでも北九州記念3着内馬は【0・0・0・7】という数字が示すように、ほとんど用なしといった状態。開催後半&平坦の北九州記念と開幕週&急坂のセントウルSとでは求められる適性がまったく異なるということを頭に入れておきたい。

ちなみにセントウルSはサマースプリントシリーズの最終戦としての役割も持つが、それを踏まえた上で参考になりそうなのが新潟記念の結果。新潟記念1〜3着馬には「シリーズ2戦目」「叩き3戦目以内」という共通項目があったのだ。夏に使われ過ぎず、かといって夏に一度も使われないことのない程よいバランスを持ったローテーションで臨む馬が、思わぬ波乱を生み出すかもしれない。


【データで見るオススメ馬】

★キンシャサノキセキ
→休み明け+斤量59kgと決して楽な条件ではないが、ビービーガルダン、ワンカラットのいないここでは一枚実力が抜けているのも事実。フジキセキ産駒はテンシノキセキ、アルティマトゥーレと過去このレースを2勝しているだけに、むやみに評価を下げることはできない。

★グリーンバーディー
→香港馬。現在香港ではセイクリッドキングダムが最強スプリンターとして君臨しているが、同馬はそのセイクリッドキングダムと何度も僅差の勝負を演じている。テイクオーバーターゲットの例もあり、前哨戦から連絡みする可能性も十分だ。

★ショウナンカザン
→鬼門である前走北九州記念組だが、ここが叩き3戦目。前崩れとなった北九州記念を3番手から勝ち馬と0.3秒差に踏ん張ったように復調は明らか。右回り・良馬場の1200m戦では【2・3・1・1】と大崩れがなく、開幕週の馬場を利しての粘り込みがあっても。

【ローテーションで見るオススメ馬】

★タマモナイスプレイ
→今回が初の1200mとなるが、出走頭数を見る限り同日に中山で行われる京成杯オータムHにも出走可能だった。にもかかわらずこちらを選択しているのだから、これまで5勝を挙げている阪神コースによほど魅力を感じているのだろう。距離短縮も含め、前走以上の上積みは必至だ。

【血統で見るオススメ馬】

★スカイノダン
→父サクラバクシンオーは過去10年のセントウルSで【2・2・1・8】複勝率38.5%と好相性。同馬はこれがサマースプリントシリーズ2戦目ということで、シリーズをフル参戦してきている馬と比較した際の上積みは大きい。セントウルSを4連勝中の牝馬であるということも好材料だ。
(田原基成)