2010年07月09日

【七夕賞】サニーサンデー“人馬一体”絶妙追い

夏の福島を締めくくる名物ハンデ重賞「第46回七夕賞」の木曜追いが8日、美浦トレセンで行われた。昨年の福島記念以来の重賞制覇を目指すサニーサンデーは、精神面をコントロールした走りでラストまで力強い脚取りを披露。得意のみちのくコースを味方につけ、2個目のタイトルを狙う。

 気持ちをコントロールした絶妙な追い切りだった。石川調教厩務員を背に角馬場に現れたサニーサンデー。モヤが晴れるのを待ってWコースに出ると、馬はその気になってスピードを上げようとした。

 だが、鞍上が手綱をわずかに絞り、はやる気持ちを向正面で抑えにかかる。馬も納得して、ゆったりしたフットワークへと変わった。意思が通じたことを確認すると、今度は3角付近で軽くゴーサインを出す。四肢は迫力を増し、一気にスピードが上がった。直線を向いても勢いを持続。5F68秒1、1Fは12秒7でまとめてフィニッシュ。人馬の心が通じ合ったのが見た目にも分かる好調教だった。

 「うまく乗っていた。予定より時計は速かったが無理はしていないし、良かったんじゃないか」。谷原師は笑顔で合格点を出した。「一瞬の脚はないが折り合えればバテない。自分のペースに持ち込めた時と、折り合えた時はしっかり走ってくれるんだ」。人馬一体の追い切りを見る限り、折り合いへの心配はなさそうだ。

 ここに来て、折り合いに進境を見せているのは、なぜか。谷原助手が面白い見解を示した。「今年の4戦は、いつも具合が良過ぎた。頑張ろうとして馬は過剰に前向きになり、それがかえって良くなかった。今回は過去4戦には少し足りない感じ。だからこそ、馬は鞍上の誘導に素直に従い、折り合い良く運べていると思う」。絶好調時より、その手前の方が力みが抜けて、いい結果に結び付く。人間のスポーツにおいても、よく聞く話だ。

 「福島は合うからね。行く馬に行かせてもいいし自分から行ってもOK」と締めくくった谷原師。自在の折り合いを武器に、得意のみちのく舞台で重賞2勝目を獲りにいく。

 ≪吉田隼と相性ピッタリ≫サニーサンデーは福島記念を勝った時もコンビを組んだ吉田隼が引き続き騎乗。今年は夏の主戦場を初めて北海道に置き、既にHTB杯(トウカイメロディ)、大沼S(スターシップ)とメーンも制する好調ぶり。函館でつかんだいい流れを福島でも発揮できるか。

スポニチアネックス - 2010/7/9 7:03